「貧乏人を殺す行政の構造」……調布市の反応


公開 (UL): 2020-05-14
更新 (UD): 2020-05-14
閲覧 (DL): 2020-07-11

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貧乏人を殺す行政の構造 «Structurally, the administrators kill the poors in Japan.»
ヘタすると多摩川に流されるところだった台風 19 号

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この記事に対する調布市の反応
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 一つ前に書いた以下の記事では,昨年(2019)の台風 19 号で,避難の判断に必要な防災情報がことごとく断たれたことについて述べた。

▼ 貧乏人を殺す行政の構造
http://treeware.jp-help.net/?dblg8

 内容は,近くを流れる多摩川が大雨であふれることを心配していたところに,防災放送が何か言っているけどよく聞き取れなくて,だったら内容を調布市サイトで確かめようとしたら「混み合って……」見れなくて,ならば市のウェブラジオで聴こうとしたら音は出ないわと……そのすったもんだした経緯の記録と原因の考察を書き連ねたもの。
 「書いただけ」では,次に大雨が来た時,今回と同様な理由で避難の判断ができずに,多摩川に流される人が出てしまうかもしれないので,「少なくとも」地元の調布市にはこの記事の存在を伝えた。内容が改善のヒントにでもなれば,流されずに済む人もいるだろうと。
 とりあえず調布市から反応があったので伝えておきたい。

● 行政放送

▼ 調布市総務部総合防災安全課より(2020-05-08)

防災行政無線で放送した定時放送以外の放送内容については,電話で確認できる防災フリーダイヤル(0800-8000-903)を導入しております。

 何だ,こんな「良い」システムがあったのか!
 しかし,そうしたシステムがあることを初めて知った。なぜこうした番号があることを周知させないのだろうか。
 おそらく該当部署は「周知はしています」と言いたいかもしれない。問題は「周知のさせ方」だと思う。
 「この番号は市のサイトに掲載されている」と言いたい担当者もいるかもしれない。ただ,今回は台風 19 号の風雨が吹き荒れる中で,行政放送で何か言っていたからその内容を知るため市のサイトを見たのに,「混み合って……」でほとんど何の表示もなかったのだから,「サイトを見れば分かったはず」的なことを言われても,それは無理だ。何より「一番知りたい時に」サイトを見たのに,その番号どころか,防災情報を一切知ることができなくなっていたことが大きな問題。

 他に知る方法というと「市報」だろうか。しかし,いざ避難が必要かどうか判断が必要になった時,行政放送で言っている内容が電話で聞けると市報で見たことを覚えていて,その番号をパッと思い出せる人がどれほどいるのか。あるいは「市報に載っていた!」と気づいて,サッと手に取って番号を確認できる人がどれほどいるのか。担当者が「市報に載せたから周知は十分だ」と思っているとしたら,大いに疑問だ。
 だいたい,筆者は新聞をとっていないので市報も入ってこない。ネットで見れるからいいかと思っていたら,ウェブ記事も PDF も,やたらと重かったか,PDF のバージョンが合わなかったかで,まともに見れなかったと思う。必死の思いで見ても,必要性を感じる記事もほとんどなく,結局は見なくなってしまっている。最近はダウンロードできる URL も忘れてしまった。で,この記事を書くにあたり,確認しようと調布市サイトで「市報」で検索したところ,結果の最初のほうに出てきたのは「2012 年元旦号」だった。結局,最新号が読める URL は分からずじまい。やれやれ。
 ちなみにその番号,サイトのトップページには見当たらなかった。

 前の記事「貧乏人を殺す行政の構造」では,「オブジェクト指向」というソフトウエアの概念について触れている。それは「オブジェクト」と呼ばれる「末端のもの」を中心にシステムの設計を進めていく考え方で,それら「末端のもの」を連携させて全体を開発していくほうが何かと融通が利くため,ソフトウエア開発ではその傾向が強まっている。
 「防災」にもそれを応用し,「末端のもの」を中心に考えを進めてもいいのではないか。ではこの場合の「末端のもの」とは何か。半分答えは出ている。「防災に使う『もの』」たちだ。調布市は,あちらこちらに「消火器」が配備されているのは知っている。「消火栓」などのインフラも整っている。「災害時の心得」などの情報を提供するという意味では,地域にある掲示板なども該当するのではないか。そうしたものに「防災フリーダイヤル」の番号を記載しておけばいいような気がする。

▼ 消火器や掲示板などに掲示しておく案
消火器や掲示板などに掲示しておく案

 なにより「行政放送」もその「防災設備」の要のひとつ。だったら,その「スピーカー」に高々と掲示されていてもよさそうな気がする。

▼ 防災スピーカーに掲示する案
防災スピーカーに掲示する案

 何か放送していると分かっても風雨が強くて聞き取れない時,「何を言ってるんだ?」とスピーカーのほうを見れば,そこに「ここで聞けます」と「防災フリーダイヤル」の番号が書いてある……これなら確実にその番号を利用してもらえるのではないだろうか。
 「問題は周知のさせ方だ」と言ったのは,そういうこと。

 しかし,消火器や行政放送など,別に調布市に限った設備ではない。実際,他の自治体でも見かける。でも,述べてきたような「その設備に行政放送の防災情報内容を確認できる電話番号が記載されている」のは見たことがない。そうした電話サービスをしているのが調布市だけとも考えにくい。どこの自治体もこうした考えは出て来ないのだろうか。
 もし筆者のこのアイデアが,地方行政の防災にとって有益だと考えられるなら,他でも積極的に採用してもらいたい。多くの人が避難判断のための情報を聞けるようになるから,助かる人も多いことだろう。
 でも,行政が「アイデアだけ黙って採用する」ようなことをしていいのかどうかは,よく考えて欲しいところ。じつは筆者はコロナウイルスの影響をまともに喰らって,現在,仕事も収入もゼロである(2020 年5月)。もし,政府が提言する「同一労働,同一賃金」を「原則」とするなら,採用するに当たり,今までこうしたアイデアを出して来なかった担当者を「下回らない待遇」を考えてくれることを期待したい。

● 調布市防災安全情報メール

▼ 調布市総務部総合防災安全課より(2020-05-08)

 また,登録制メールの「調布市防災安全情報メール」については,「避難勧告・避難指示」といった重要な情報について,パソコンでも受信可能ですのでご利用の検討をお願いいたします。

 これも初めて知った。これも防災システムとしては,それなりに意味があるように思う。
 ただ,繰り返しになるが,今回は「市のサイトが正常表示しない」という状況に陥ったことが大きな問題。差し迫った時,市のサイトではその「調布市防災安全情報メール」を申し込む方法が分からなくなってしまっていたわけで,それではシステムの存在意義自体に疑問を感じる。「ご利用の検討」と言われても,そうした状況がある限り,いざ風雨が強まってそうしたメールの配信が欲しい時,サイトから申し込めず避難情報を受け取れないままになってしまう人が残り続けるように思う。
 とはいえ,このメールシステム側の問題ではなく,その「市のサイトが正常動作しない」という状況の問題であり,それは後述の「通信」や「サイト設計」のほうが深く関係することだろうとは思う。でも,そこが確実に機能していなければ,やはり意味が半減することは確かだが。

● 通信環境

 この点については,まずは前記事「貧乏人を殺す行政の構造」から,該当部分を抜粋する。

 その頃,近くの市内放送用のスピーカーが何か言っているのが聞こえた。しかし,雨と風の音が強くてよく聞き取れない。
 でも,こっちにはパソコンがある。もし「避難せよ!」レベルに重要な内容なら,調布市のサイトにも掲載されるはずだろうから,それを見ればいい……そう考えていた。ところが! サイトは「混み合っているので……しばらく経ってからアクセスしてください」の表示だけ。他の記事は何も見れなくなっていた。当然,さっきの放送が何を言っていたのかなど知る由もない。もしその放送が,かなり差し迫った避難の指示だったとしたら……「しばらく経ってアクセスできるようになる前に水が来ちゃったら遅いだろう」……そんな考えがアタマをよぎった。

 この点についての調布市の回答がこちら。

▼ 調布市総務部総合防災安全課より(2020-05-08)

令和元年台風19号では,市ホームページにおいて想定を上回るアクセスが集中し,情報を閲覧しにくい時間帯が生じ,御不便をお掛けし申し訳ありませんでした。
 市ホームページのアクセス環境の向上についてこのような事象が発生したことから,市ではアクセス環境の改善に取り組みながら,ツイッターや防災・安全情報メール,調布エフエム,ケーブルテレビ等を活用し,情報発信に努めました。また,災害時におけるホームページトップページを見直すことで,ページ容量の軽量化やレイアウトの改善に取り組みました。
 今後は,緊急時のネットワーク回線を導入し,市のホストサーバーへのアクセス負荷を分散することで,さらなるアクセス環境の改善に取り組んで参ります。

 懸念は「具体的な点が見えない」こと。こういったことは「規模」と「時期」が重要だと思うが,そこまで詳しい説明はなく,不安が残る。
 「規模」とは,元々どれほどの通信容量があり,どれほどアクセスがあったためダウンし,そこでどれほど拡充が必要なのか……などだ。
 そこに,「どの程度の規模で拡充するならいつ頃までに実現可能か」を把握していなければ「時期」の見通しも立てられない。
 今年も「台風1号」が発生して,本格的台風シーズンまで,もうあと数ヶ月。「間に合わせろ」と言うつもりはないが,「規模」と「時期」の折り合いを見誤ると,数年経っても適切な拡充ができず,最悪「間に合わずに犠牲者が出る」ことになってしまうのではないだろうか。

 「ホームページトップページを見直すことで,ページ容量の軽量化やレイアウトの改善に取り組みました」と「過去形」で書いているから,そのトップページを確認してみた。前の記事で指摘したように,ページを重くする要因の多くは「スクリプト」だ。そこで,スクリプト機能を停止させた状態で確認したら……結局は,レイアウトがぐちゃぐちゃ。隠しておくべき箇所まで全部表示されたような状態で,クリック箇所もかぶりまくり。どこをクリックしていいやら分からなかった。障害者が使用するような古いパソコンや音読ソフトなどでもまともに見れるかは疑問が残る。「バリアフリー」を考慮するなら,スクリプト機能が使えない時の対応も考慮されていていいと思うが,ほど遠い感じだ。

 あと,細かいことだが「ホームページ」という言い方がかなり古い。「ホームページ」とは,元々は「ブラウザで,主に表示させるサイトか記事」のこと。「ホーム」というのは「そこに帰ってくる」という意味があると考えれば,腑に落ちるだろう。だから,「ホーム」のページは「見る側で設定するもの」で,提供する側で「ホーム」を使うことには違和感がある。最近は,一般的には「ウェブページ」と言うことが多いだろうか。筆者は,既に何度か使っているが「ウェブ記事」と呼んでいる。「ページ」というと「記事の一部」のような印象が強いが,一度に全文が読めるものもあるわけだから。
 「ホームページ」という言葉を普通に使っている状況から察するに,「意識がその時期で止まっているのかな」という感じがしなくもない。まぁ,別にそれは「防災」とは関係ないが。

● 調布 FM

 この点についても,まず先ほどの引用の続き部分を抜粋する。

 いやいや,諦めるのはまだ早い。こっちにはネットが使えるパソコンがある。調布には「調布 FM」というご当地ラジオ局があり,パソコンなどの端末向けにウェブラジオの配信をしていることも知っている。
 まず,全国の「ご当地ラジオ局」を紹介している「サイマルラジオ」のサイトを呼び出し,「調布」で記事内検索する。直ぐに「調布 FM」のリンクに辿り着き,クリック!……音は出なかった。
 これは一度リンク先を「保存」して,音楽プレーヤーのアプリで開く必要があるのかも。そこで,リンク先の内容を確認し,そこに記載されていた URL(ウェブアドレス)をプレーヤーにコピペ……音は出なかった。ではその URL を直接ブラウザで開いてみる……音は出なかった。保存画面は出たが,中身はどうやらさっき保存したものと同じだ。
 よくリンクを見ると,「上記で再生できない方は、リスラジアイコンをクリックしてください」と記載があった。そこで,それをクリック。別のサイトが開いて,左上にラジオのプレーヤーと思われる画像が表示される……が! 音は出なかった。もしや,その「再生ボタン」らしき箇所を押さなきゃダメなのね。で,クリック!……音は出なかった。

 重要な点は,調布市サイトはほとんど何も表示されなくなっていたからラジオの聴き方など知る由もなく,そこで「サイマルラジオ」サイトから聴こうとしてダメで,その次に「リスラジ」のサイトで聴こうとして,やはりダメだった……と述べていること。
 で,調布市からのその点に関する回答と思われる箇所がこちら。

▼ 調布市総務部総合防災安全課より(2020-05-08)

 最後に調布エフエムのウェブ利用が簡単に聞けない件についてです。市ホームページのリンクからアクセスする以外にも,下記の方法でお聴きいただけます。
 上記のとおり,市ホームページのアクセス環境を向上しておりますが,他の聴取方法もお試しいただけますと幸いです。
 また,引き続き災害時の情報収集方法について市報に掲載するなど,様々な聴取方法の周知に努めて参ります。

 で,その「下記の方法」というのが,「聴取方法」として以下の2つの掲載があった。見事! その「聴けなかった」サイトだ。

▼ ■パソコン

調布エフエムのホームページまたはインターネットでSimul Radio(サイマルラジオ)にアクセスしてください。次に、関東の放送局一覧から調布エフエムのバナーを探したら、バナー右横にある「放送を聴く」をクリックすると、放送を聴くことができます。

▼ ・参考URL
http://www.simulradio.info/#kantou
▼ ■スマートフォン

Android(アンドロイド)、iPhone(アイフォン)共に、Listen Radio(リッスンラジオ)のアプリをダウンロードします。
 アプリを開き、選局タブの関東放送局一覧から、調布エフエムを選択します。
 トップページ中央に調布FMが表示された後、再生ボタンを選択すると放送を聴くことができます。

▼ ・参考URL
http://listenradio.jp/

 これはさすがに呆れた。まず「市のサイトが見れなかった」と記事に書いたくらいだから,そこからラジオのサイトには辿れない。ではどうやって聴こうとしたか……も,詳しく書いたわけだ。それが「サイマルラジオ」のサイトであり,「リスラジ」サイト……つまり今回,調布市が案内してきたサイトだ。「聴けなかった」と伝えたサイトを「聴くことができます」と案内してきたことになる。
 じつは該当記事には,「スマホを持っていないから,アプリをダウンロード云々言われても意味がない」とも書いている。調布市にその記事を伝えた結果,送ってくれた内容のわけだから,てっきり読んでくれたうえでの返信だと思っていたが……「アプリをダウンロードします」とか書いているくらいだから,そうではないようだ。

 どうしてこんなちぐはぐな回答になるのか。たぶん,「テンプレ」を使うからだろう。テンプレとは「テンプレート」……つまり「見本」のようなもので,おそらくは「『ウェブラジオが聴けない』とクレームが来たら,これを送るように」と用意されている回答が,上記の回答ではないかと思われる。要するに,こちらが伝えた内容は読んでいない……言い換えれば,「対処」らしいことはしていないということだ。それで税金から報酬を受け取って「負い目」は感じないのかと思ってしまう。

 あるいは,こうした「ちぐはぐな」説明で堂々巡りをさせることで,自分たちが何かしなければならなくなる事態を避けるのが,オヤクニンの常套手段なのかもしれない。何言っているのか分からない回答を繰り返すことで,相手が「呆れる」か「(追求を)諦める」のを待つ手段の可能性もある。「そんなことはない!」と言うなら,もう少し噛み合う内容の回答をくれてもいいだろう。

 加えて,気になるのは以下の文。

様々な聴取方法の周知に努めて参ります。

 この文は2通りに解釈できる。

 上段は「聴取方法」が様々あり,下段は「周知の手段」について様々試すことに努めるという意味になる。筆者が望むのは前者。様々な聴取方法があってこそ,様々な人が聴けるようになる可能性が増すからだ。一方,後者だと,周知の方法として様々試すが,「配信方式や聴取方法はそんなにない」可能性もある。
 こうした曖昧な表現を平気でするのが役人。だから信用できない。

 実態は後者に近いだろう。なぜなら,引用にも書いたとおり,様々な受信方法を試したが,結局聴けなかったからだ。「様々な聴取方法」になど対応できていないように思える。
 引用では省略したが,前記事では「どうして聴けなかったか」についてもかなり詳しく考察している。簡単に言えば「配信方式が誰でも聴ける方式ではなかったから」だと思われる。だから「様々な聴取方法」があっても,「配信方式」がその状態では,聴ける人は限られてしまう。
 でも,ひょっとすると調布市の担当者は「配信方式」と「聴取方法」を混同しているかもしれない。
 ラジオの音声データにおいて,「配信方式」というのは「どのような形式で送信するか」であり,一方「聴取方法」というのは「どのように受信するか」だ。「配信方式」が同一(ひとつだけ)でも,受信方法はブラウザで聴く方法,音楽プレーヤーで聴く方法,アプリで聴く方法など,いくつかの方法が使える。でも「どれかで聴けるだろう」と思っていたら大間違い。「聴取方法」がいくらたくさんあっても「配信方式」は同一(ひとつだけ)という状況もありうる。すると,結局はその方式に対応できない人は聴けないままになる可能性がある。「聴取方法」をいくつ用意して周知させたところで,限られた人しか受信できないような「配信方式」を採用している限りは,聴けない人が残り続けることになる。筆者は確実にその一人だ。

 前の記事でも指摘したように,おそらくこうしたラジオの配信などはどこかに「丸投げ」しているだろう。担当者は,丸投げ先から「誰でも聴ける方式で配信していますよ」とか説明を受けているのではないか。だから,筆者のように「聴けないぞ!」とクレームすると,「これだけ聴取方法があるから,試してみてね!」とテンプレ回答で済ませることになっていて,どれかで聴けるだろうと信じているかもしれない。
 しかし,これも前の記事で指摘したように,丸投げ先の言う「誰でも聴ける方式」というのは,「最新のパソコンを持っている人なら(誰でも)」とか,または「Windows パソコンなら(誰でも)」といった部分を省略して報告している可能性がある。その方式ならコストが安くなるとか,新しいパソコンを買わせたいコンピュータメーカーや,Windows 製造元であるマイクロソフトなどから利益供与があるなどの「癒着」があるのではないだろうか。丸投げされた業者から「どんな人が受信可能か」を詳しく伝えると「『誰でも』じゃねぇじゃねーか!」ということになり,利益供与の受けられない方式に変更させられると面倒だから,それは言わないだろう。そんなふうに「丸投げされた業者側」は,役人側が配信方式などの事情をよく知らず,そうした点に詳しく突っ込んで確認できないことにつけこんでいるのだろうと思っている。
 だが,多少なりともその運営に税金が使われているなら,特定の企業だけ利するようなことは避けるべきではないだろうか。そのためにも,まず「誰でも聴ける」ようなウェブラジオを目指すべきだろう。「誰でも聴ける」ラジオでなければ,大雨で多摩川が溢れた時,ウェブラジオを聴けなかったために避難の判断ができなくて流されてしまう人が出る可能性も消えないのだから。

 最後にやはり言っておきたい。市民,国民の財産や命を守れないのなら,税金から報酬を持って行かないで欲しい。



© M.Ishikawa; TREEWARE 2020.