NTT 東日本代理店の勧誘のあり方に対する疑問


公開 (UL): 2018-07-08
更新 (UD): 2018-07-08
閲覧 (DL): 2020-10-27

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● 経緯

 2018-07-08 13:40 頃,NTT 東日本代理店を名乗る「(株式会社?)シーシー(CC?)」と呼ばれる部署から電話があった。
 内容は以下のとおり。

 アナログの固定回線の使用者は『フレッツ光』へ『負担なく』工事できますが,明日はご自宅にいらっしゃいますでしょうか?

 ここまで聞いて,もうその「切替工事をすること」は既に決まっていて,あとは「フレッツ光」への切り替えのための「工事日程を決めなければいけない」という印象を受けた。
 ただ筆者の自宅は,アナログ回線でないと使えない ADSL という通信契約をしているため,それはどうなるのかと聞いたところ,何とも中途半端な回答を繰り返された。いろいろと問い質しているうち,ネットを含めた月々の支払いが格段に上がる(¥4,000 弱→¥6,000 強)ことが分かった。問い質すまで月額料金が変わるという話はなく,ただ「無料で切替工事をします」という話しかされなかった。

 「なぜ料金の確認を最初にしないのか?」と聞いたところ,「工事が決まってから料金の説明をすることになっている」との話だった。「それは順番が逆ではないか?」と伝えたが,「申し訳ありません……」と言うばかり。

 その時に確認した状況は以下のとおり。

 なお,ここで勧誘電話の担当者名を挙げたが,あくまでも「その方からの電話だった」という事実を述べる意味で,責める意図はないです。問題はほかのところにあると考えています。詳細は後述「責任の所在」の章を参照。

● 通信事情に疎い人がこうした対応をうけた場合を考えるべき

 電話をかけてきて,工事の話しかしない。通信事情に疎い人が「工事の日程」について先に説明を受けた場合,どのように解釈されるのか,通信事業者も管轄の省庁もよく考えるべき。

 今回の電話を受けた筆者も,一瞬「この地区はもう全部光回線に切替えなければならないのか」と感じた。ただ慎重に確認する性格のため,何度か問い質しているうち「違う」と分かったが,もし業者が,「切替えは既定」と「感じさせる」ことを狙い,述べたような対応をしているとしたら,通信事情に詳しくない人,あるいは筆者ほど踏み込んで問い質せない気弱な人などは,あとで通信費が大きく値上がりしても「泣き寝入り」するしかない。その「気弱さ」につけ込み,儲けるのは,切替えの契約を取り付けた代理店と,高額な通信費を得られる通信業者だけである。

 これは放置してはいけない問題だと思う。管轄の省庁は看過すべきではないと思うのだが,どうだろうか。
 一般消費者を対象に,他の代理店,通信事業者を含めて,似たようなケースがないかどうか早急に調べ,以下のような消費者が多く居る代理店や通信事業者には,相応のペナルティを課すべきではないだろうか。

 いずれの場合も,あとから「では,同様な機能としてこちらの契約が可能です」などと言って,事業者や代理店に有利な契約を得られ易くなることは容易に想像できる。つまり,とにかく光回線の工事さえしてしまえば,光回線で提供される様々な追加契約が可能になる。業者にとっては「とにかく光回線工事をしたい」と暴走する最大の要因。

 ペナルティとしては,以下のようなことが考えられる。

 そこまでする必要があるのか。いや,それくらいしないと,代理店や通信業者の「やり逃げ」を許すことになるのではないか。いわば「誤解を与えたもの勝ち」であることを管轄官庁が容認するようなもの。放置すれば,儲かるなら何でもする人たちが,「あいまいな説明で工事の話だけを先に進める」ことを繰り返せる環境が温存されることになる。
 何より,今回のケースが「私だけ」である可能性は低い。言い換えれば,ここに述べたようなやり方で,これまでに多くの契約を取り付けていて,また放置すれば,今後もこのやり方で契約を取り付けていく可能性がある。抑止力としてのペナルティが必要なように思う。

 そして,その「ペナルティ」の手続きも,被害を受けた側に「簡素」なものになるよう配慮されているかも重要。いつぞやの原発事故の補償のため,被害者に数百ページの手続き書類を読むことを強要した某電力会社の事例を忘れてはいけない。

 社会における通信の健全な発展のため,関係部署の善処を求めたい。

● 責任の所在

 既述,勧誘電話の担当者名を挙げたが,あくまで「その方からの電話だった」という事実確認のためであり,それらの人を責める意図はないことは,改めて述べておきたい。
 責めるべきは,こうした誤解を与える説明をさせて儲けている代理店の経営者,またそうした代理店のやり方を黙認している通信事業者ではないだろうか。つまり本当に責任を負うべき者は,末端の我々は名前を知る由もない存在。これが,トップの「責任逃れ」を常態化させている社会の悪しき機構。名前が分かったところで「トップ」の事情は似たようなもので,N大学理事長,芸能プロダクションJ事務所など,不祥事が起きても出てこない「トップ」にお金だけが集まる仕組みが放置されたまま,お役所によるテコ入れなど何もないのが現状。

 一方,その対応は慎重にすべき。昨今問題となっている,過労で自殺したり,うつになったりする労働者が絶えないという点に,十分留意をすべきでしょう。
 いきなりこの事実を代理店や通信事業者に突きつけたところで,自身の責任を認めたくない経営者は,全ては末端の担当者(電話担当者やその直属の上司)の判断であったと主張することが予想される。
 しかし,契約に当たっては,末端の現場で適切に説明すべきであるということは,経営者がしっかりと現場に伝え根付かせておくべきことであり,今回そうなっていなかったということは,全ては代理店や通信事業者の経営者の責任であろうことは,言うまでもない。
 残念ながら,いまどきの経営者に「責任」を感じてもらうのは至難の技かもしれない。しかし,人手不足の昨今,末端で働く人たちに責任が押し付けられ,ストレスにより労働力が削がれるような事態につながる対応だけは避けて欲しいところ。
 そのためには,そうした「経営者がするべきことをしていなかった」という根拠となる事実を十分におさえ,経営者が反省せざるを得ないという状況を目指し,関係省庁なり部署なりが協力して調査を進めるべきだろうと考えている。

 政府が掲げる「同一労働,同一賃金」の実現,また「人手不足」解消の(換言すると「労働力を弱めない」)ために,どのような対応が望ましいのか,慎重に考えて対処すべきだろう。
 政府やお役所が「労働者の味方である」ことを示せるのかどうかの鍵がここにあるように思う。

● 似たケースで多くの人が泣き寝入りしている可能性

 似たケースは他にも思い当たる。今回は NTT 東日本だが,他の通信事業者,また ISP(インターネット接続業者)などにも,「その説明でいいの?」と思われることが時々あるような状況。
 筆者は慎重派なのでいろいろと問い質して確認できるものの,それはある程度通信事情を知っているため。事情に疎い人は「ハイ,ハイ」と言っているうちに,知らない間に契約変更させられたりしているケースがかなりあるのではないだろうか。言い換えると,筆者の元にかかって来た電話は「氷山の一角」だと。そう考えるのが自然でしょう。だって代理店はあちらこちらに同じような電話をかけているのでしょうから。
 でも,たいていは,あとで知っても「泣き寝入り」でしょう。事情を知らなかったのだから……「仕方がない」と「思わされている」というのが実態。そんなことをいつまで許すのか,という問題だろうと思う。
 こちらは,政府やお役所が「消費者の味方である」ことを示せるのかどうかの鍵となるように思う。

● 本質的な「構造改革」とは

 まとめると,重要な説明をスッ飛ばして勧誘するよう伝えられた電話の担当者によって契約が取り付けられた結果,多くの消費者は「詳しい事情は知らなかった」で泣き寝入りさせられている。たとえ「そんなの聞いてない」と抗議する消費者がいたとしても,「電話担当者の説明不足でしたので申し訳ありません」で押し切られる。とはいえ,その電話担当者が詳しく説明できる内容まで伝えられていたのかどうかは疑問。なのに,最悪の場合,その電話担当者が責任をとらされる。その一方,説明をスッ飛ばすよう指示した代理店や,キチンと説明するよう「指示しなかった」通信業者とその経営者には,契約金がドカドカ入る。こうした社会構造が放置されているのが実情。
 昨今問題視されている「格差」がどのようにして広がるのか,なぜ縮まらないのか,関係省庁はもっとしっかり考えて対策すべきだと思う。

 今後も適宜,発信していきたいと思います。



© M.Ishikawa; TREEWARE 2020.