この記事は,上記でダウンロードした PDF ファイルの文字部分だけコピペし,その順番を表示に沿って直したものです。PDF 掲載の本文は第2章からなので,前文の補足を飛ばしたい方は以下より。
まずは,編集者(石川)の補足。
5月8日(2023 年=令和5年)から,新型コロナウイルスが感染症に関する法律上の「5類」と呼ばれるものに扱いが変更される。で,それについての書面が厚生労働省から公表されているだろうとは思っていたが,イヤな予感がしたため,それと思わしき PDF をダウンロードして確認してみたところ,案の定だ。じつは PDF というのは,見た目とファイル内での文字データの並び方が違っていることがけっこうある。文字部分を全文コピペしたところ,順番がバラバラな部分がちらほら。音読ソフトなどは,内部の文字データ順に読む可能性が高いから,読む順番もバラバラになってしまう可能性が高い。すると,たとえば文末の「……です」と「……ではありません」の順番が逆に読まれてしまったりした場合,PDF を音読ソフトで聞く人は,表示されている内容と逆の解釈をしてしまう状況が生じかねないことになる。
オヤクニンの皆様は,そうした点を全く気にせずただ PDF だけ公開して仕事したつもりになって報酬を持って行っているわけで,現在仕事のない筆者から見ると,いいご身分的な感じしかしない。だいたいこうした「感染症」などは,知っているべきことを知っていないと,ましてや逆の解釈をしてしまったりしていると,生死に関わることでもあるのだが……国民の労働と健康を扱う省庁としてどうなのだろうか。
というわけで,そうした「PDF の特徴を知らない」厚生労働省のオヤクニンと大臣に代わって,ここに整理しておきたいと思った。
なお,このサイトの他の記事同様,URL 末尾に .txt(ドットティーエックスティー)が付けてあると,プレーンテキストで表示されます。そちらは単語や熟語,漢字とその送り仮名,複数桁の数値などの途中で切れないよう調整した編集をしています。HTML では音読ソフトが聞きにくい時はプレーンテキストもご利用ください。
● 概要〔編者追加〕
ここには以下の一問一答を掲載し,付属資料などは省略しました。
- 問い1: 新型コロナウイルス感染症は、他の人にうつすリスクはどれくらいありますか?
- 問い2: 新型コロナウイルス感染症にかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?
- 問い3: 5月8日以降の「濃厚接触者」の取扱はどのようになりますか?
- 問い4: 家族が新型コロナウイルス感染症にかかったら、どうしたらよいですか?
● 問い1: 新型コロナウイルス感染症は、他の人にうつすリスクはどれくらいありますか?
新型コロナウイルス感染症では、鼻やのどからのウイルスの排出期間の長さに個人差がありますが、発症2日前から発症後7~十日間は感染性のウイルスを排出しているといわれています(参考1)。
発症後3日間は、感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大きく減少することから、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことに注意してください(参考2)。
また、排出されるウイルス量は発熱やせきなどの症状が軽快するとともに減少しますが、症状軽快後も一定期間ウイルスを排出するといわれています。
〔以下その「参考」〕
- 【参考1】国立感染症研究所のデータによれば、感染力のあるウイルスを排出する患者の割合は、症状が続いている患者も含め、発症日を0日目として8日目(7日間経過後)で 15%程度、11 日目(10 日間経過後)で 4% 程度となります。
- 【参考2】国立感染症研究所のデータによれば、感染力のあるウイルスを排出する患者について、発症日を0日目として3日間程度は平均的に高いウイルス量となっていますが、4日目(3日間経過後)から6日目(5日間経過後)にかけて大きく減少し、ウイルスの検出限界に近づきます(6日目(5日間経過後)前後のウイルス排出量は発症日の 20 分の1~ 50 分の1)。一般に、ウイルス排出量が下がると、他の人にうつしにくくなると言われています。
● 問い2: 新型コロナウイルス感染症にかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?
2023(令和5)年5月8日以降、新型コロナ患者は、法律に基づく外出自粛は求められません。外出を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられます。その際、以下の情報を参考にしてください。
周囲の方や事業者におかれても、個人の主体的な判断が尊重されるよう、ご配慮をお願いします。
各医療機関や高齢者施設等においては、以下の情報を参考に、新型コロナウイルスに罹患した従事者の就業制限を考慮してください。なお、高齢者施設等については、重症化リスクを有する高齢者が多く生活することも考慮してください。
また、感染が大きく拡大している場合には、一時的により強いお願いを行うことがあります。
◆ (1)外出を控えることが推奨される期間
- 特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日〔編者注: 無症状の場合は検体採取日〕を0日目(注1)として5日間は外出を控えること(注2)、かつ、
- 5日目に症状が続いていた場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して 24 時間程度が経過するまでは、外出を控え様子を見ることが推奨されます。症状が重い場合は、医師に相談してください。
- (注1)無症状の場合は検体採取日を0日目とします。
- (注2)こうした期間にやむを得ず外出する場合でも、症状がないことを確認し、マスク着用等を徹底してください。
◆ (2)周りの方への配慮
10 日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクを着用したり、高齢者等ハイリスク者と接触は控える等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。発症後 10 日を過ぎても咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクの着用など咳エチケットを心がけましょう。
※ 学校における取扱いについては、文部科学省においてパブリックコメントを実施予定。
● 問い3: 5月8日以降の「濃厚接触者」の取扱はどのようになりますか?
2023(令和5)年5月8日以降は、5類感染症に移行することから、一般に保健所から新型コロナ患者の「濃厚接触者」として特定されることはありません。また、「濃厚接触者」として法律に基づく外出自粛は求められません。
● 問い4: 家族が新型コロナウイルス感染症にかかったら、どうしたらよいですか?
ご家族、同居されている方が新型コロナウイルス感染症にかかったら、可能であれば部屋を分け、感染されたご家族のお世話はできるだけ限られた方で行うことなどに注意してください。
その上で、外出する場合は、新型コロナにかかった方の発症日を0日として、特に5日間はご自身の体調に注意してください。7日目までは発症する可能性があります。こうした間は、手洗い等の手指衛生や換気等の基本的感染対策のほか、不織布マスクの着用や高齢者等ハイリスク者と接触を控える等の配慮をしましょう。もし症状が見られた場合には、「問い2」をご覧ください。