● 一般的な用途
[Print Screen] キーの代表的機能は以下の通り。詳細は次章参照。
- スクリーンショットを撮る(一部 OS)
前回の [Caps Lock] キーは「よく不要扱いされる」などと記載したが,筆者に言わせると,こちらのキーの存在のほうがナゾ。とはいえ,とりあえずは一部の OS でスクリーンショットを撮る機能が働くよう。
[Print Screen] キーの元々の機能は,コンピュータ出力が文字のみだった頃に,画面に表示された文字データをプリンタに送り紙面で保存するものだったと思われる。当時は「紙」が最も安い記録媒体だったはずで,電子的に読み書きできる記憶媒体は,高価なうえ搭載できる容量も少なかった。高々数十メガバイトのハードディスクで大型洗濯機並の大きさがあり,数人がかりでトラックに積み下ろししている古い写真を見たことがある。今となってはハードディスクやら USB メモリやら,指でつまんで持てる程度で大容量の記録媒体がいくらでも使えるから,「元々の」役割の意味も薄れたのだろう。[Print Screen] キーの存在は,コンピュータ黎明期の名残りと言えるのかもね。
なお,同じキーに [System Req] と記載されていることがある。ザッと調べたところ,元々「システムリクエスト」という意味だったよう。筆者は文字通りの意味で使ったことがないので詳細は知らないのだが,コンピュータで何らかのプログラムを実行中に,システムに対して別のコマンドを実行させたい時に押していたらしい。その機能として使う時は [Alt] キーと一緒に押す必要があったよう。ちなみに,筆者が現在メインで使っている Dynabook では,[PrtScr] キーと [SysRq] のキーは別々である。
ひょっとすると [System Req] には,実行中のプログラムを中断する役割があったかもしれない。当初コンピュータが実行できるのは単一プロセスで,つまり同時に複数のことはできなかった。すると,実行させたプログラムにミスがあり,たとえば無限ループになっちゃうと,他のことが何もできなくなるから,強制的に中断してシステムに制御を戻す機能は必要だっただろう。コンピュータの性能が上がってマルチタスクとなり,つまり並行して複数処理が可能になれば,システム命令も別のプロセスで実行できるから他のプログラムを「中断」する必要もないわけで,使われなくなっていくのは自然な話だろう。
● スクリーンショットを撮る(一部 OS)
「スクリーンショット(以下『スクショ』)」とは,今見ている画面をそのまま1つの「画像」として扱えるようにする機能。
このキーによりスクショを撮る機能は,少なくとも Windows 10 以前と,キーボードを接続した Android で有効。
単独で押した場合は,全画面のスクショが撮られる。また,スクショが有効な Windows では,[Alt] キーを押しながらこのキーを押すと,押した時点でアクティブだった窓のみのスクショが撮れる。
Windows では,いずれの場合も「画像データ」としてクリップボードに一時保存される。撮った直後ワープロや画像を扱うソフトでペースト操作([Ctrl]+[V] など)することで,画像として貼り付けて使える。
ただ,どうやら Windows 11 で変更されてしまったらしい。知っていれば便利に使える機能なのに,なぜ変えるかなぁ。まぁ,Windows なんて筆者はほとんど使わないからどーでもいいけど。そもそも,そうやってコロコロ動作を変えるから,Windows を使う気がなくなったのだが。
Android の場合,Screenshots フォルダに自動的に名前が付けられて保存される。あとで「Files」などのアプリで「画像」としてまとめられているフォルダ内を探すと見つかる。
なお,Android の場合は,上からスワイプして出る簡易設定画面や,電源ボタンの長押しなどで出るメニュー内に「スクショ」の項目がある場合がある。また,筆者のスマホでは「3指タップ」でスクショを撮る設定もできる(使っていないけど)。
Linux 辺りはデスクトップ環境によって異なる可能性がある。筆者が現在メインで使っている LXDE というデスクトップ環境では,このキーによるスクショ機能はなく,「スクショ用アプリ」を起動する必要がある。そのアプリには撮った画像をファイルとして保存する機能があり,この場合,見ていた画面を保存するためのワープロや画像編集ソフトなどは不要になる。
Mac 系はよく知らない。だいたい,Mac 仕様のキーボードにこのキーはなかったと思う。ただ,スクショを撮るには [Shift]+[⌘]+[3] の操作で,アクティブ窓のみの場合は [Shift]+[⌘]+[4]+[SPACE] のキー操作で機能するらしい([⌘] は「コマンドキー」と呼ばれるキー)。