● 一般的な用途
[S] キーの代表的機能は以下の通り。詳しい解説は後述各章を参照。
- 文字「S,と」の入力
- 保存
- 名前を付けて保存(一部のアプリ)
● 文字「S,と」の入力
単独で押すとアルファベットの「s」が,[Shift] キーと同時に押すと「S」が入力される。sの文字コードはSより 32 大きい。つまり,二進数では第5ビット(2^5 の位)が異なるだけ。
なお,かな入力モードでは「と」が入力される。五十音の「た行」はこのキー周辺にまとまっている。
筆者が日本語入力で使う「NICOLA(親指シフト)配列」では,そのまま打った時には「し」,左親指(同手)シフトで「あ」,右親指(クロス)シフトで「じ」が入力される。
◆ 文字コード 19(DC3)の入力
「ターミナル」など,文字のみやりとりするコンピュータ通信では,[Ctrl]+[S] のキー操作で,文字コード 19 が入力されることがある。ASCII コード 19 は DC3(Device Control 3)と呼ばれるコントロール(制御)コード。元々の機能は……よく知らない。が,多くはデータの転送を「一時停止」するのに使われていた。
一時停止されたデータ転送を再開するのに使われていたのが,やはりコントロールコード「DC1(Device Control 1=ASCII コード 17)」。ファイルの内容を表示させて確認する時,[Ctrl]+[S] で DC3 を入力すると表示が一時停止するので,そこで内容をゆっくり確認したら,DC1
([Ctrl]+[Q])で再開するのに使ったりしていた。
古いプリンタでは,このコントロールコードを一度受信すると,以降に受信するデータを無視するような機能があった。やはり DC1 を受信することで印字処理が再開された。
以前,その「ターミナル」を使っていてファイル内容を確認しようと表示させた時,それが文字以外のデータを含んでいて,中に「DC3」のコントロールコードが含まれているとそこで止まってしまい,ややこしいことが起きていた。詳細は以下の DC1 コードについての記事参照。
core を cat してはイケナイ。
通常は画面に表示される文字はないが,このコードを可視化する方法として“^S”などの表記が使われることがある。ちなみにSはアルファベットの 19 番目の文字で,文字コードは 83〔十六進表記 53H〕。DC3 の文字コードより 64〔40H〕だけ大きい。つまり二進数では第6ビット(2^6 の位)が異なるだけ。
● 保存
多くのアプリでは,[Ctrl]+[S] のキー操作で,現在取扱い中のファイルや記事,データを「保存」する機能が働く。
何らかの編集アプリで,既に保存先と名前が決まっているファイルでこの操作をすると,同じ名前で「上書き保存」されて,たいてい編集前の状態は保存されない。が,ワープロなどで「バックアップ/編集履歴保存/版の記録」といった機能がある場合は,編集開始前のファイルの状態も何らかの形式で保存されることがある。
なお,「新規編集」でまだ名前を付けてなかった時や,ブラウザなどで見ているウェブ記事を保存する時には,必ず「名前を付けて保存」の機能が働き,ファイルの保存先フォルダとファイル名を指定するダイアログが出る。編集ソフトでは,それ以降は前述「上書き保存」になる。
こまめに [Ctrl]+[S] を押して保存するクセをつけておくと,編集中にフリーズした時も,フリーズ前の最後の保存状態を復活させることができる。特にマイクロソフトのアプリ(MS オフィスとか)を使っていた時は,時々「こまめに……」を忘れてひどいめに遭った。おかげで,筆者は使わなくなったが,今はどーなのだろうか。
[S] に「保存」機能が割り当てられているのは,おそらく save という単語からだと思う。
● 名前を付けて保存(一部のアプリ)
一部の編集アプリでは,[Shift]+[Ctrl]+[S] のキー操作で「名前を付けて保存」の機能が働く。既に保存先と名前が決まっているファイルでも,保存先フォルダとファイル名を指定するダイアログが出る。
以降 [Ctrl]+[S] 操作で,これで指定した場所と名前で保存される。