● 一般的な用途
[Q] キーの代表的機能は以下の通り。詳しい解説は後述各章を参照。
- 文字「Q,た」の入力
- 終了
● 文字「Q,た」の入力
単独で押すとアルファベットの「q」が,[Shift] キーと同時に押すと「Q」が入力される。qの文字コードはQより 32 大きい。つまり,二進数では第5ビット(2^5 の位)が異なるだけ。
なお,かな入力モードでは「た」が入力される。五十音の「た行」はこの周囲にまとまっている。
筆者が日本語入力で使う「NICOLA(親指シフト)配列」では,そのまま打った時は「。(句点/マル)」,左親指(同手)シフトで「ぁ(小文字)」,右親指(クロス)シフトで「ゐ」が入力される。
この位置も,[P] キーの「,(コンマ)」と同様,ちょい小指を伸ばせば打てる位置なんで,そこに「。(句点)」があるのもわりと便利。
とはいえ,今どき「ゐ」なんて字,どこで使うのか……じつは当サイトで実質的に「CMS(Contents Management System)」として使っているシステムを「和易ゐ記(わいうぃき=和文簡易 Wiki 記法)」と呼んでいる。簡易なウェブ記事の記法である「Wiki」にちなんでいて,その「Wi」の発音を示す文字として使っている。
と言っても,筆者が勝手に作った規格なので,必死になって検索したりしないで欲しい。「和易ゐ記」の詳細は,以下にまとめてある。
そうでなくても,普段使う外国語が多くなるほど「うぃ」の発音のある言葉も多くなるのではないか。カタカナでは「ヰ」だが,既に「ウヰスキー」なんて書き方は見る気がする(「ニッカ」だけかな)。パソコンとかだと「ヰザード」なんて書いたりできるかもね。ひょっとすると今後この字の存在感がさらに注目される日が来るのだろうか。
◆ 文字コード 17(DC1)の入力
「ターミナル」など,文字のみやりとりするコンピュータ通信では,[Ctrl]+[Q] のキー操作で,文字コード 17 が入力されることがある。ASCII コード 17 は DC1(Device Control 1)と呼ばれるコントロール(制御)コード。元々の機能は……よく知らない。が,多くは一時停止していたデータ転送の「再開」に使われていた。
やはりコントロールコードに「DC3(Device Control 3=ASCII コード
19)」というものがあり,これは「データ転送を一時停止する」という機能として使われていて,DC1 にはそれを再開する機能があった。ファイルの内容を表示させて確認する時,[Ctrl]+[S] で DC3 を入力すると表示が一時停止するので,そこで内容をゆっくり確認するのに使ったりしていた。
プリンタなどにも,この DC3 を送ると以降に送信した文字を印字しなくなる機能のあるものが多かった。やはり DC1 で印字を再開した。
以前,その「ターミナル」を使っていてファイル内容を確認しようと表示させた時,それが文字以外のデータを含んでいて,中に「DC3」のコントロールコードが含まれていると,そこで「一時停止」され,以降表示されなくなってしまうことがよくあった。そうなると「文字データではない」と分かるので,以降の表示も不要なことが多く,「中断」するため [Ctrl]+[C] と押しても,ニッチもサッチも動かなくなっちゃっていたりした。
そこでこの [Ctrl]+[Q] の操作をすれば再開することもあるのだが,DC3 コードが多量に含まれていると,停止してばかりで先に進まなくなる。[Ctrl]+[C] も効かなくなって……「強制再起動」せざるを得なくなったりしたのは……遠い昔の思い出。
core を cat してはイケナイ。
通常は画面に表示される文字はないが,このコードを可視化する方法として“^Q”などの表記が使われることがある。ちなみにQはアルファベットの 17 番目の文字で,文字コードは 81〔十六進表記 51H〕。DC1 の文字コードより 64〔40H〕だけ大きい。つまり二進数では第6ビット(2^6 の位)が異なるだけ。
● 終了
多くのアプリでは,[Ctrl]+[Q] のキー操作で,アプリが終了する。何らかのファイル編集アプリで,保存されていないものがあった場合などは,保存の必要があるか,実際に終了してもいいかどうかを確認するダイアログが表示されるものが多い。
近いものに [Alt]+[F4] というキー操作がある。アプリによって異なるが,この操作では,複数の窓で作業していた時などは,現在作業中の「窓」だけが閉じられ,アプリ自体は終了しない場合も多い。一方で,[Ctrl]+[Q] で「終了」させると,複数窓が開いていても,アプリ自体が終了してしまうことが多い。
たとえば,筆者が使っている FireFox というブラウザでは,タブを複数開いて閲覧している時に [Alt]+[F4] を押して終了させようとすると,複数のタブを閉じていいかどうかを確認するダイアログが出るが,[Ctrl]+[Q] のキー操作で終了させると,ダイアログは出ずにイキナリ終了する。
[Q] に「終了」が割り当てられているのは,たぶん quit(やめる)という単語からだと思う。