● 一般的な用途
[B] キーの代表的機能は以下の通り。詳しい解説は後述各章を参照。
- 文字「B,こ」の入力
- ブックマークの表示(多くのブラウザ)
● 文字「B,こ」の入力
単独で押すとアルファベットの「b」が,[Shift] キーと同時に押すと「B」が入力される。bの文字コードはBより 32 大きい。つまり,二進数では第5ビット(2^5 の位)が異なるだけ。
なお,かな入力モードでは「こ」が入力される。五十音の「か行」は「け」以外はこのキー周辺にまとまっている。「け」だけはなぜか右の端のほうに追いやられている。「け嫌い」されているということか?
ちなみに,筆者が日本語入力で使う「NICOLA(親指シフト)配列」の場合は,シフトなしで「へ」,左親指(同手)シフトで「ぃ」,また,右親指(クロス)シフトで「べ」が入力される。
● ブックマークの表示(多くのブラウザ)
多くのブラウザでは,[Ctrl]+[B](Mac では [Command]+[B])のキー操作で,「ブックマークの表示」機能が働く。多くの場合,ウェブ記事枠内の左,または右側にブックマーク用の枠(ペイン)が現れる。
またいくつかのブラウザでは,[Alt]+[B] のキー操作でブックマークメニューが開く。これは「ペイン」ではなく,メニューバーの項目として表示される。
「ブックマーク」と言ってもピンと来ない方もいるかもしれないが,マイクロソフトの「エクスプローラー」で言うところの「お気に入り」のこと。「お気に入り」は英語で Favorite であり,「B」は使われないので,エクスプローラーの場合は [Ctrl]+[B] ではなく,筆者が知る限り [Ctrl]+[I] で同様な機能が働く。Favorite の [F] キーでなければ,[A] でも [V] でもない。何で後半に出てくる「I」の文字が使われているかというと,それより前のアルファベットは,全てのブラウザや他のアプリ共通の機能に割り当てられているため。以下のとおり。
- [Ctrl]+[F]……(記事内の)検索
- [Ctrl]+[A]……全て選択
- [Ctrl]+[V]……貼り付け(ペースト)
- [Ctrl]+[O]……(ファイルや URL などを)開く
- [Ctrl]+[R]……更新(再読み込み)
これらは,ブラウザに限らず,多くのアプリに共通して備わっている基本的な機能のキー操作のため,ブラウザだけ「お気に入りの表示」の機能に割り当ててしまうと使いづらくなる可能性が高い。で,その次のIが採用されたのだろうと想像している。最初から他のブラウザに合わせて「ブックマーク」のBにしときゃよかったのにと思うのだが……。
ちなみにエクスプローラーでは,メニューバー項目の「お気に入り」は [Alt]+[A] で表示される。こちらも Favorite の [F] でないのは,[Alt]+[F] は「ファイルメニュー表示」がアプリ間共通になっているためだろう……だから「ブックマーク」のBにしときゃよかったのに。
◆ 文字コード 2(STX)の入力
ちなみに,「ターミナル」など,文字のみやりとりするコンピュータ通信では,[Ctrl]+[B] のキー操作で文字コードの 2 が入力されることがある。ASCII コードの 2 は STX(Start Of Text)と呼ばれるコントロール(制御)コードで,文字通信以外ではそれほど重要性はないが,意味的には「直後から文字本体のデータである」的な意味になる。主たる内容が文字の通信では,それなりに意味があると思われる制御コードである。
通常は画面に表示される文字はないが,このコードを可視化する方法として“^B”などの表記が使われることがある。ちなみにBはアルファベットの 2 番目の文字で,文字コードは 66〔十六進表記 42H〕。STX
の文字コードよりも 64〔40H〕だけ大きい。つまり二進数では第6ビット(2^6 の位)が異なるだけ。