● 一般的な用途
[BS](バックスペース→Back Space)キーの代表的機能は以下のとおり。詳しい解説は後述の各章を参照。
- 直前の1文字削除
- 内容の削除(表計算)
- 親フォルダを表示
多くはこのキーを押すと,文字コードの8が入力されることが多い。ASCII コードでも,8は BS(バックスペース)と呼ばれるコントロール(制御)コードであり,「次に印字する文字を現在位置より1文字分左からにする」的な意味を持つ。だから,昔のプリンタにこのコードを送ると,次の文字が重なって印字されたりした。さすがに一旦印字された文字を消してくれる機能はなかった。通常は画面に表示する文字はないが,可視化する方法として“^H”などの表記が使われることがある。ちなみに,Hはアルファベットの8番目の文字。Hの文字コードは 72 〔十六進表記で 48H〕で,バックスペースの文字コードより 64〔40H〕だけ大きい。つまり,第6ビット(2^6 の位)が異なるだけ。
筆者が昔,「スライドバズル」的なくだらんゲームなんぞ作っていた頃は,キーボードから文字コードの8の入力があったら,「一手戻す」機能を働かせていたことがあった。
● 直前の1文字削除
文字の入力中,直前の文字を削除する。
横書き(左→右)の場合はカレット(文字カーソル)の左側の1文字が,縦書きの場合は上の1文字が削除される。ワープロをはじめとし,ブラウザのアドレス欄やフォーム枠などで使える。
電卓アプリの場合,最後に入力した数字が削除されたり,または押した演算のキーが無効になることがある。
ただし表計算ソフトのセルの場合は,「文字入力モード」の時だけ,この「1文字削除」機能が働く。文字入力モード以外は,次章で述べる「内容削除」機能が働くことが多い。
なお通常は,複数の文字などの選択状態で [BS] キーを押すと,選択している部分全てが削除される。
いずれの場合も削除されたものはクリップボードには保存されないため,ペーストでは戻せない。この場合,アンドゥ(Undo [Ctrl]+[Z])機能で削除の「操作」を取り消せれば,「元あった位置に」戻る。
ちなみに「直後の文字」削除は [DEL] キーで機能することが多い。
● 内容の削除(表計算)
表計算ソフトで,文字入力ではない状態の時に [BS] キーを押すと,選択されているセルの内容が「空」になる(OpenOffice)。複数セルが選択されていた場合は,その全てのセルの内容が空になる。
[DEL](デリート)キーで削除すると,セル自体がなくなる場合がある。たとえば数行削除するとそれ以下の行が詰められ上に上がることがあるが,[BS] ではセルの内容が「空」になるだけでセル自体は残る。
● 親フォルダを表示
Windows のエクスプローラ(インターネット閲覧ではなく,ファイルやフォルダの一覧を表示するほう)など,一部のファイルマネージャでは,[BS] キーを押した時,現在表示されているフォルダの親フォルダを表示する機能が働く。
最近では,[Alt]+[↑] というキー操作にも同じ機能があるよう。