● 一般的な用途
[1](アルファベットの上)キーの代表的機能は以下のとおり。詳しい解説は後述の各該当章を参照。
- 文字(1,!,ぬ)の入力
- その行または選択領域に「見出し1」の書式設定(ワープロ)
- セルの書式設定(表計算)
- 原寸(100%)表示(お絵描き系)
ちなみに,筆者が日本語入力で使う「NICOLA(親指シフト)配列」の場合,同手シフト([1] に近い側の親指シフト〔たいてい [無変換]〕キー)で [1] キーを押すとクエスチョンマーク(?)が入力される。異手シフト([1] から遠い側の親指シフト〔たいてい [変換]〕キー,「クロスシフト」と呼ぶこともある)では,普通のシフト押下時と同じくエクスクラメーションマーク(!)が入力される。
なお,英文配列のキーボードでも,入力される文字は同じらしい。
● 文字(1,!,ぬ)の入力
単独で押せば1が,[Shift] キーを押しながら押せばエクスクラメーションマーク(!)が入力される。この「1」の文字コードは,「!」より 16 大きい。つまり,二進数表記では「16 の位」のビットが異なるだけ。
なお,かな入力モードでは「ぬ」が入力される。
それにしても,なぜここに「ぬ」があるのかが謎。かな配列は,一見バラバラのようで,よく見ると五十音の行ごとにある程度まとまっている。たとえば,「あいうえお」と「たちつてと」,「やゆよ」のキーの位置はそれぞれ全て接している。「らりるれろ」も近い場所にある。
じつは「なにぬねの」も,この「ぬ」を除いて接している。しかも,それらは全て右手の指で打つ場所。だから,なぜ「ぬ」を左手の小指で打つような離れた位置に配置したのか謎でしかない。たしかに「ぬ」ってあまり使わないが。漢字でも,JIS の第一水準で「ぬ」の読みの扱いは「濡れる」のひとつだけだったと思う。しかも,第一水準漢字は,他がたいてい音読み順に並んでいるのに,こいつは訓読みだったりする。そこまで「ぬ」を蔑まなくてもいいだろうに。
他にも,「なぜこれがこんなところに?」と言いたくなるかな文字の配列がいくつかあるが,おいおい該当キーの説明で触れたいと思う。
ひょっとして,こうしたイレギュラーな並びが,「かな入力」の普及と,ひいては「キーボードによるコミュニケーション」を妨げているのではないかと思ったりする。
● その行または選択領域に「見出し1」の書式設定(ワープロ)
ワープロアプリには,文章の編集中に [Ctrl]+[1] というキー操作で「見出し1」のスタイル(書式)が設定されるものがある。選択している領域がある時はその領域が,選択領域がない時はカレット(文字入力用のカーソル)のある行,または段落が対象になる。
「見出し1」は,見出しの中でもっとも大きな分類で,筆者は「題名(タイトル)」に使うくらい。
「スタイル」というのは,ワープロソフトで,そこが「見出し」か,「本文」か,「箇条書きの項目」か,「引用」か……といった構成要素を指す。それらを見た目で区別できるようにするために「書式設定」と混同されがちだが,それを「書式設定」で行なわず,この「スタイル」を使って文書を作成すると,いろいろ便利な機能が使えるようになる。以下に詳しく記載したので,そちらを参照してほしい。
● セルの書式設定(表計算)
表計算のアプリでは,セルを選択して [Ctrl]+[1] というキー操作で「セルの書式設定」のダイアログが出るものがある。表計算の書式設定はワープロと異なり,「セル内容の値をどのように表示するか」を意味する。たとえば,「金額」として表示するなら,先頭に ¥ 記号を付けたり,下位から3桁ごとにコンマ(,)を入れたり,「マイナスの金額は先頭に▲印を付加」して表示したい場合もあるだろう。科学分野では「必ず小数点下3桁まで表示」させたい時もある。それは,誤差が表示されている「最小桁未満」であることを示すから,たとえば,「3」という表示は「3±0.5」で,「3.000」なら「3±0.0005」と解釈され,意味が違ってくる。また,特に「日付」を扱うセルには,西暦 1900 年元旦あたりからの通算日数の数値が入力されているから,そのまま表示させると,4万前後の数が表示されるだけになってしまう。こういった「数値の先頭に印を付ける」とか,「必ず小数点以下何桁かまで表示させる」とか,通算日数を「日付として表示させる」設定も,この「セルの書式設定」で指定する。
「どう見せるか」は,「いかに分かり易い表示にするか」に直結する指定事項だから,けっこう頻繁に変更されることも多い。そのため,この [Ctrl]+[1] というキー操作で書式設定できることを知っていると,その設定がちょっと円滑になる。
● 原寸(100%)表示(お絵描き系)
お絵描き系のソフトでは,[1] キーを押すことで原寸(100%)表示になるものがある。筆者が知っているものでは,GIMP というソフトと,Inkscape というソフト(どちらも Linux 版)で,このキーによる原寸表示が機能する。