Tokyo government gifted me "Okome(rice) coupon". But I have allergic to rice. But the catalogue shows other options except rice e.g. drinks. But sometimes I'll have rough skin with bad compatible water, therefore I cannot select anything from the catalogue. Japanese government officers often make services considering insufficiently, and force to use them to people, then people is leaded wrong by that.
東京都から「おこめクーポン事業」の案内が届いた。なんでも,お米を送ってくれるらしい。
ただ,じつは筆者は過去にお米でアトピーの症状が出たことがあり,普段なるべく食べないようにしている。とはいえ,ソバなどで出るような「アナフィラキシー」と呼ばれる症状ほどは激しくないため,たまに食べるぶんには問題ない。が,食べ続けるのはやはり心配。そのため,今回のクーポンで継続的にお米を送ってもらってもちょっと困る。
とりあえず,届いた書類には他の選択肢もあった。それは,飲料か,生の野菜かその水煮パック,またはうどん。
ただ,じつは筆者は今でも水で肌荒れなどの症状が出ることがあり,普段なるべく飲まないように……はしていないが,とはいえ,蛇口には簡単な浄水器を取り付け,そこでゆっくりろ過した水だけ口にするようにしている。市販の加工食品はどんな水を使っているのか分からないわけだが,普段リピ(繰り返し購入)している製品は,「特に悪い症状は出ない」ことが分かって買っている。一方,どこのメーカー品か分からない製品がまとめて送られて来た場合,もしそれらの飲料や水煮をいくつか口にして,症状が出たら「残り全部アウト!」ということになる。フードロス削減が叫ばれるこのご時世に,「廃棄」になる飲食物を増やせないでしょって。しかも,野菜はどちらもお米がセット。乾麺のうどんも飲料がセット。というわけで,選択肢はほぼ全部消えた。
事業の担当のオヤクニンは気を利かせているつもりなのかもしれないが,受ける側としては「もう少し何か考えられなかったのか」と思う。そこには「これだけ『考えてあげた』んだから必ずどれかに決めろよ」みたいな,柔軟性を欠いた「上から目線」的な押し付けを感じるのだ。オヤクニンはなぜ「上から目線」的な考えなのか,考察してみたい。
● 「おこめクーポン事業」の詳しい内容
筆者がコロナの影響でロクに収入が得られない状態になって3年ほど経つ。まぁ,多少はオヤクショも「対策している」アピールをする必要もあるのだろう,1年ほど前から「給付金」などの申請手続きのための書類が送られてきたりしていたが……いろいろツッコミどころだらけなのは,既に記事にしたとおり。
もちろん「ありがたい」ことには違いないのだが,その手続きとか,今回の支給品など,とうてい末端の諸事情を考慮しているとは言えないケースが多過ぎるような気がするのだ。
今回も「おこめクーポン事業」って言うくらいだから,もらえるものはお米が中心。ただ,述べたように筆者は以前,お米でアトピーの症状が出たことがある。とはいえ,ソバのアナフィラキシーのような劇症性ではなく,少量食べるぶんにはほとんど症状は出ない。カレーライスなんかはたまにどうしても食べたくなるし,法事なんかの時は「寿司」しか出なかったりするような状況もあるが,一食くらいなら問題はない。逆に言えば,そうした時のために普段は食べないようにしているようなところもある。今回は 25kg のお米を何回かに分けて送ってくれるらしいのだが,さすがにそれほど継続的に食べるのはヤバい気がする。
とりあえずお米以外の選択肢もあるのだが,種類がかなり限られて,筆者にとって選択肢がないに等しいのも述べたとおり。別に筆者でなくても,いろいろ問題に感じる点も考えられるので,ここで挙げてみる。
◆ 野菜
水煮パックか,東京都産の生野菜の2種類があるが,どちらもお米がセットなので,筆者の選択肢にはならない。
ただ,他の人が頼むにしても,アレルゲンを含むかどうかがさっぱり分からない。水煮パックは「カレー用とミネストロネ用」と書いてあるだけで原材料の記載はなし。また,生野菜も「何が送られて来るか」の記載は全くなし。アレルギー持ちの人はスゴく頼みにくいだろう。
「誰もが安心と安全を確保できるコース」を考えると,Web 限定コースも含めた9のコースのうち,野菜を含む2つは消える。
◆ 飲料
緑茶,麦茶,果実飲料の組み合わせ。ただ,飲料セットはほぼ緑茶を含んでいるから,カフェイン摂取を控えている人は頼めない。麦アレルギーの人は麦茶がアウト。それに,果実飲料の「果実」が何なのか文字表記の一切ない分かりにくさ。りんごでアレルギーが出る人の場合は,りんごジュースが送られてきちゃったらアウト。カタログのイラストはりんごっぽいから,実際の支給がりんごジュースではなくても,アレルギーの人は果実飲料を含むコースは頼みづらいだろう。家族がカタログを見て「なぜ『水』がないのか」と言っていた。ホントそう思った。
これで9のコースのうち,さらに5つが消え,届く前に内容が確実に分かり安心,安全なものは,お米オンリーのコースだけになる。お米を避ける筆者でなくても,選択に困る人は多いのではないか。
◆ うどん
筆者が唯一安心して食べられそうだったのが,このうどんなのだが,結局「飲料」とセットのためあきらめた。が,その他の点でもツッコミどころ満タン。それは「量」。
20 束と書いてあったが,ひと束がどれくらいなのか全く分からん。市販されているものは,だいたいひと束 100g のものが多い。同じなら
2kg ということになる。お米は全部で 25kg でっせ? うどんのコースでは,他に飲料が2ケースほど来るから,ならばお米の3分の1の 8kg
ほどあってもいいような気もするのだが。百歩譲って,5分の1の 5kg
くらいはあってもいいように思う。いずれにしても,少ない気がする。それとも,「1束」が 250g くらいあるのか?
筆者としては,むしろ全部うどんのほうが助かった。とはいえ,普段食べている「讃岐うどん」よりも届くものがうまいかどうかは期待薄。その,普段食べているうどんは,8束(800g)で ¥220 くらい。すると1食あたり ¥27.5 というところ。全部お米のコースの場合 5kg×5
だから,5kg を ¥2,000 とするなら,1万円分もらえることになる。何食分に相当するのかは,1kg あたり約7合=ご飯7杯分換算で,25kg
は 175 食分になる。筆者が普段食べているうどんならば,約 360 食分買える。全部お米の場合と比較すると,1万円を直接もらってこっちで全部うどん買ったほうがずっと食いつなげられるというわけだ。
ただ,筆者も毎食うどんではない。主にパンだ。特に「お米あげる」と言われちゃうくらいお金がないから,安いパンを探し求めて買っているため,それがだいたい食パン一斤あたり ¥80 ちょい。だから,1万円分だと 120 斤になり,筆者は1食平均 0.4 斤ほど食べるから,全部パンなら 300 食分……現金でもらえばそれだけ食いつなげられる。
一方で,唯一「食べられる」うどんは,都が送ってくれる量は 20 束なわけだ。他にお茶が2ケース来るので,20 束分の値段を3分の1の¥3,300 とすると,1束あたり ¥165……どんな超高級うどんだ? 1束何グラムなの知らんが,100 食分に相当するなら1束 500g だが?
● 他に考えられる選択肢は?
◆ 小麦粉やパスタとかは?
筆者はよく「お好み焼き」を自分で作って食べる。筆者が普段買っている小麦粉を1万円ぶん買うと,約 500 食分くらい「お好み焼き」が作れる。「小麦粉」という選択肢があってもよかったような気もする。「小麦粉だけ食うわけじゃないし,『具』はどーする?」とか言いたくなる人もいそうだが,それを言ったら「お米だけ」も一緒だろっての。「梅干か,おかず海苔セット」じゃないワケだし。
また,食事としてはパスタもよく食べる。この文章を書いている頃の購入価格は,スパゲティ 1kg を ¥220 くらい。それを7食で食べるから,1万円では 300 食分ちょいということになる。
◆ お米の「コスパ」の悪さ
お気づきだろうか。同じ価格で,お米だと 175 食分だ。うどんやパン,小麦粉やパスタだと 300 食分以上になるわけだから,お米と同じ価格で倍近い食事の回数食いつなげられることになる。
じつは,お米でアレルギーが出ると知って食べなくなって気付いたことは,「お米はコスパが悪い」という点。「みんな『お米』が主食だろうから,お米を配れば喜ぶだろう」的な一方的なものの見方で判断し,「おこめクーポン」なんて事業を始めるから,コスパが悪くなる。税金を使うのだから,最大限有効となるような使い方をもっと考えるべきではなかったかと思うのだが,どうだろうか。
◆ EBT(Electronic Benefit Transfer)
最近知ったのだが,アメリカは各州ごとに EBT というサービスがあるらしい。電子マネーを利用した生活保護相当の支給システムのよう。どうやら「食品と,それ以外の買い物または現金引き出し」を区別して決済できるようだ。「食品購入は××ドルまで政府が負担する」とか,「食品以外は××ドルまで」といった設定が可能らしい。だとすると,今回の東京都の「おこめクーポン」のような事業は,たとえばシステムの中心となるサーバに「○○さん所有のカードに百ドル分の食品購入費をチャージ」などと設定すれば,支給はほぼ完了。実質的には他にも,関係するカード管理業者に該当金額を送金したりする手続きは要るだろうが,「食品は何を送ればいいか」を検討したり,そのためのカタログを作り送付したり,そのカタログから選ばせて返送させ,選ばれた食品の配送を手配したり……それらの手間や送料は全て不要だから,オヤクショの負担はかなり軽そうだ。しかも,カードの所有者は,自分の食べられるものを買えるお店で買えばいい。食品アレルギーで「カタログに選択肢がない!」などと悩まずに済むし,安いお店を選べば,カタログに載せられる量よりもたくさん買える可能性もあるわけだ。
日本での実現性はどうだろう。
筆者も既に「パスモ(交通系 IC カード)」と「デビットカード」を持ち,キャッシュレス生活をしている。どちらのカードも,そのカード唯一の ID 符号を含んでいて,中央のサーバで,どのカードがいつどこでどれほど使ったか,チャージしたか管理しているだろうから,EBT 的なシステムに利用するのに近い環境ではあるように思う。オヤクショが
EBT 的仕組みを「プラス」して利用しようという考えに至らないのだ。
どこかの関西だったか,受け取った生活保護費を握りしめてパチンコ屋に直行する人たちを問題視する話があったが,この EBT の仕組みがあれば半分くらい解決しそうな気もする。確実に「食品に使う」支給ができるのだから。また,本来「食品以外」の支給額を何に使うかは自由なのだろうが,パチンコ屋など遊興店を決済対象から外すことも原理的に可能だろう。
一方で,「マイナン『ば~か』ード」を作れとか何とかうるさいが,EBT のような利用ができる的な話は聞かない。だいたい,普段の生活で何の決済もできないでしょって。まぁ,当面は「マイナン『ば~か』ード」なんて利用する気にはならないけどね。
で,この EBT というシステムの存在を知っている筆者は,仕事がなく支給対象となるレベルに低収入。一方,そのシステムを構築できず,いちいちカタログ作って送付と返送の手間と送料に税金を使うオヤクニンの皆さんの報酬のほうが,ずっと高かったりするのが,今の日本だ。
● ウェブ申し込みに諸々トラップ
じつは,送付された「おこめクーポン」の事業案内には,申込み用のハガキが同封されていたが,ウェブでの申し込みが4月から始まることと,そちらから申し込んだ方が対応が早いようなことが書かれていた。こういうことは,なるべくウェブを利用したいと思っている。自分自身が面倒臭がりだから,ウェブを利用すれば担当者も「届いたハガキ見ながらデータを手入力」なんて手間が省けて助かるだろうと思うからだ。
今回,案内が届いたのは3月中だったが,とりあえず内容を知ろうと思ってその申し込みページにアクセスしてみると……「4月から受付」というそっけない表示だけだった記憶がある。せめて,事業内容やウェブ手続きの段取りの説明くらい掲載しときゃいいのにと思った。
◆ スクリプト多用でセキュリティリスク爆上がり
で,その4月のウェブ受付開始を待ってアクセスしてみたところ……真っ白。何も表示されなくなっていた。
じつは筆者は普段,JavaScript(ジャバスクリプト)と呼ばれるブラウザの機能を無効にして使っている。ウェブ記事がまともに表示されない状況が起きる場合……特に「真っ白」になったりするのは,たいていこの「スクリプト無効」であることが原因。実際,有効に設定してから再読み込みしたら,内容が表示された。
でも,筆者がなぜスクリプトを無効にしてブラウザを使っているのかというと,スクリプトを有効にしておくと,広告などの余計なデータを読んでパケットを消費させられるうえに,その分表示が遅くなるので,無効にしてそれらを避ける意味がひとつ。ただ,それより重要なのは,スクリプトは脆弱性が狙われ易くセキュリティリスクが高まるからだ。以下の記事には,スクリプト有効でウェブ記事を閲覧していて,危うく詐欺まがいのサイトに誘導されかかった話を掲載してある。
スクリプトを無効にしておけば,「スクリプトは動作しない」のだから,その脆弱性を悪用した詐欺サイトへの誘導はできなくなる。セキュリティも高まると考えられるわけだ。逆に言えば,スクリプトを有効にしないと見れないサイトは,利用者にそうしたセキュリティ上のリスクを押し付けているようなもの。今回は,そんなサイトを東京都が事業として運営しているということだ。
◆ 「スクリプト有効に」の表示もなし
たとえ筆者がスクリプト無効でブラウザを使っていても,記事の表示にスクリプト必須のサイトでは,ほぼ真っ白でありながら「スクリプトを有効にしてご覧ください」的な表示だけは出ることが多い。でもその申し込みページは,4月初旬段階では正真正銘「真っ白」だった。これでは,たまたまブラウザがスクリプト無効であると気付かずに,そこに申し込みに来た人は,それ以上どうしたらいいのか分からないだろう。なぜ「真っ白」なのか,どうすればいいかの表示が何もないのだから。
まぁ,こうしてトラップを仕掛けて,「スクリプトが何なのか」よく分からない人たちからの申し込みを減らす作戦なのかもしれないが。
◆ Google という地雷
スクリプト無効で表示されない程度なら,変なサイトに誘導されないように気をつけながら,申し込む時だけ有効にすれば済む話。筆者もそうしてアクセスし直したのだが……利用規約を読み「こりゃ使えない」と断定。それは,Google 社のサービスを利用しているらしいからだ。というのも,筆者が知っている同社のサービスは,まともに使えないものばかりであるため。
Android のスマホは持っていて Google の名を含む意味不明なアプリがズラリ並んでいたが,説明が読めず何をするものか分からず,多くは無効化した。
Chrome は表示されるアイコンがむちゃくちゃだったり,ウェブ記事で文字の大きさが同一であるはずの箇所が一部極端に小さくなっちゃって見づらかったり,「最新バージョンをご利用いただけます」といった表示を何度タップしてもアップグレードされない……と,不具合連発!
あちらこちらのサイトで reCAPTCHA という認証が利用されているのを見かけるが,一発で成功するのはまれ。おかげで,詐欺サイトを発見したのに報告できなかったこともある……つまり,筆者が犯罪被害防止に協力しようとしたのに,Google にそれを妨害されたような状態。
何と言っても,Gmail は届かないことが多発する。あっち宛も,こっち宛もである。すると,申し込みサイトで登録したメールアドレス宛にあっち(東京都)から何らかの問い合わせを送ったり,あるいはそれに対してこちらからキチンと返信しても,Google のサーバを経由していたため,それらのメールが「届かない」事態が発生する可能性がある。そんな場合でも,あちらとしては,「送ったことは確実だから,返信が届かなかったのはそちら(つまり筆者)の責任だ」ということにするだろう。Google のせいで支給品を受け取り損ねる要因になるわけだ。
これら全て Google の所業。何と言っても,その Google のせいで何か不具合が起き,たとえば支給品をもらいはぐったりした時,「責任」がどうなっているのか,サッパリ分からない。おそらく,何も取り決めていない可能性も高い。もし都がウェブの仕組みをよく理解しないままこうした利用契約をしていた場合,たとえばどこでメール配送が途切れたか Google 社に調べさせて「当社内では問題なかったです」と一方的に Google 側に有利な結果を出されたとしても,都側に調べるノウハウがない場合は真に受けるしかない。すると,ウェブで申し込みをしたのにメールが届かなかったため支給品をもらいはぐった者は,何の落ち度もないまま泣き寝入りするしかなくなる要因になる。
ウェブからの申し込みに当たり,利用規約にはそんな会社を「利用することに同意してください」的なことが書いてあるが,同意できるワケがなかろう。東京都は,よくもまぁこんな会社を信用するなぁと思う。あるいは,お米の送付にかかる経費を削減できるよう,「メールが届かなかったのならあきらめてね」と言う状況を作るため,メールの不達が多発する可能性のある会社と「あえて」利用契約をしたとかなのか?
● 実家に送るわ
というわけで,スクリプトを使用してセキュリティリスクを高めたりとか,スクリプト無効で見ると「有効にしてください」の表示もなくただ真っ白なだけとか,いろいろ問題の多い Google 社のサービスを使うとか……ウェブからの申し込みは,「地雷」が確定した。
ここは仕方がないから,同封の「ハガキ」で返信することにした。
とはいえ,お米や相性の悪い水で,何かが発症してしまう心配のある筆者としては,頼めるコースがない。一方,実家の両親が高齢で,お米を買うと運ぶのに苦労するみたいな話を聞いている。そこで,もし指定した場所に届けてもらえるのなら,実家に送りたいと考えた。そうすれば,買ったお米を持って帰る……そんな重たい思いをさせずに済む。
問題があるとすれば,これは東京都の事業だから,東京都以外に送付してもらえるかどうか。かと言って,どのコース頼んでも東京の自宅では食べられないリスクがあり,他に手はない。というわけで,いちかばちかそれで頼むので,東京都の担当者さん,よろしくお願いします。
● 一番の問題
今回の「おこめクーポン事業」は,それなりに経費もかかるだろう。事業の担当者は,少しでも経費を節減したいと考えていると思う。
スクリプトを有効にしないと申し込み画面が機能しないのは,そうすることで申し込む人のセキュリティリスクを高めて,パソコンやスマホがウイルスに感染してそれらの端末が使えなくなれば,お米を送る相手を減らせる可能性がある。
スクリプト無効で出た真っ白なウェブ記事で,「スクリプトを有効にしてください」の表示もなかったのは,真っ白画面でどうすればいいか分からなくなる人を多く発生させて「ウェブで申し込めない人」が増えれば,お米を送る相手を減らせる可能性がある。
まともに機能しないことも少なからずある Google のサービスを利用すれば,お米を送る相手を減らせる可能性がある。たとえば Google のサーバ経由でメールが届かなかった人が出れば「届かなかったのなら,仕方がないね」と切り捨てることができるし,reCAPTCHA のような認証サービスを利用すれば,それがまともに機能しない人は「申し込み」が先に進められないから,お米を送る相手を減らせる可能性がある。
いろいろと経費の節減方法を工夫しているようだ。
たぶん,オヤクショの担当者がこの文を読んでいたら,こう言いたいのではないか。「そんなつもりはない」と。
ところで,痴漢の「容疑」で捕まってしまった人の話で,取り調べで「やっていないならその証拠を出せ」みたいなことを言われるといった記事を読んだ記憶がある。「やっていない」という証拠を残すことなど可能なのかどうか筆者は疑問なのだが,そうした取り調べがまかり通るのであれば,オヤクショも警察と同じ「公僕」として,「そんなつもりがないという『客観的な』証拠」を出す必要があるのではないか。それができるのか? でも,述べたような取り調べを本当に警察でしているなら,同じオヤクショであるのだから,自ら「そんなつもりはない」ということを示す証拠を提示する必要があるのではないか。
「そんなつもりはない」……その「つもり」さえなければ問題ないと思っているのだろうが,筆者に言わせると,それが一番問題だと思う。どういうことかというと,つまり「そんなつもりはない」ことを理由にして「受け取れるべきお米や食品が受け取れなくなる可能性が生じる」状態が放置されているからだ。「そんなつもりはない」……つまりそれは「受け取り方」の問題であり「自分たちは悪くない」と言いたいのだろう。述べて来たような,お米を受け取れなくなる可能性のある人がどんなにいても,「悪くない」と思うことで「考え直す」必要性も感じずに済むから,「支給品を受け取れなくなる可能性」を極力潰そうといった対処を考えようとする気が起きないままになり,残り続けるのだ。
「そんなつもりはない」……この言葉,筆者はスゴく「上から目線」に感じるのだ。「そんなつもり」がなきゃいいのではなく,述べたような問題を末端が孕んでいる点に気付かなかったことが問題なのだ。述べて来たような「受け取れなくなる可能性」は,本来なら事業を運営する側が,事前に調べて潰しておくべきことなのだ。再度言う,「そんなつもりはない」と考えて済ませること自体,「それが一番問題だ」と。
生活が困窮している市民に対して「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言い放って批判を買い,結果的に死刑にされた君主も過去にいたが,何だか最近のオヤクショに似た傾向を感じるのである。「ケーキを食べれば……」というのは,如何に末端の人々の事情を理解していなかったのかを表す典型的な言葉だと思えないだろうか。筆者が述べたような,アレルギーを持つ人のことを考えていなかったり,スクリプト無効だと真っ白なウェブ記事しか見れず申し込みできないとか,有効で使わせればセキュリティリスクが高まるし,Google など不具合を連発している業者を利用すれば「メールが届かない」など諸々の問題が生じる……結果的に,それらで末端に「支給を受けられなくなる人」が発生する可能性が高まるわけだが,「(それで受け取れる人を減らそうとか)そんなつもりはない」……だから別に悪くないでしょ……みたいに受け取られかねない発言が,適切だろうか。「ケーキさえ食べられない人もいる」という末端の事情さえ把握していない人が,「別に対策するほどではないでしょ」的な発言をするのと何が違うのか。
「ケーキを食べれば……」というのは,マリーアントワネットの言葉と言われているが,おそらく今その人にインタビューすると同じことを言うのではないか……「そんなつもり(軽んじる気)はなかった」と。
筆者は,こうした今どきのオヤクショの「上から目線」に,共産主義下の社会に似たものを感じる。
今回の「おこめクーポン」の場合,その「仕組み」を作る側が,自分たちの都合を中心にして仕組みを作り上げてしまい,末端の事情をよく調べないままだから,末端で諸々の不具合が生じ,「受け取れない」なんて人が発生する可能性が残る……のは,述べてきたとおり。
「中央集権」の共産主義も,「仕組み」を作る側の一方的都合で作れる点で似ているような気がするのだ。末端で何か不都合が起きないかどうかを調べることなく,また,どうなっちゃおうと知ったこっちゃない仕組みを作って強制するから,その「中央」と市民とで格差が広がる。そりゃ「共産主義」がうまくいくワケないわなと思う。
「そんなつもりはない」……この言葉をお題目として唱え,オヤクニンが責任を感じずにいる間は,結果的に「ケーキも手に入らなかった」市民が,人知れずバタバタ死んで行く気がする。今の日本のオヤクショは「上から目線」という強力な殺傷光線を放ち,苦境にある人がさらに苦しむ可能性を高めている。保育所不足で子育て世代を苦しめていたかと思うと,急に「子育て支援」と称して子供を持つ家庭「には」お金を注ぎ込むフリをする一方,財源があいまいで結局は増税など将来の負担の心配が増すから,さらに若い世代は恋愛も子作りもためらうだろう。事実,出生数は下がり続けているわけだが,今の日本に方向転換は無理だ。なぜなら,政治家もオヤクショも「そんな(出生数を下げる)つもりはない」と思ってやっていることだから……つまり,自分たちのやることは間違っていないと解釈し続けるからだ。その「出生数」を減らして来た要因も見直されることなく残り続けるということだ。