【ぱそはだ】チカ / CHICA


公開 (UL): 2026-06-21
更新 (UD): 2026-06-21
閲覧 (DL): 2026-06-28

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CHICA is "Checking Helper Illumination Customizable Assistance". It uses timer-IC 555, and simply makes to be blinking an LED. However, it has seven-way specs and this article explains assembling each one. The specs are:

 I'm suggesting the "PASOHaDA" design. In the design, assemblings of each specs use the universal PCB 秋月 [Akizuki] 108242, that's sold in Japanese electronics parts shop, and you need not wiring on the back face of it. You can assemble those only assigning and soldering parts onto the PCB. If you can purchase the PCB or similar one, why don't you try to make those?

 「ぱそはだ設計」対応で,パーツを揃えてハンダ付けするだけで組み立てられます。この手の工作最大の失敗要因だった基板裏面の配線作業が一切ないので,製作経験がない方の成功率も超アップ! 気軽に製作をお楽しみください。なお「ぱそはだ設計」の使用は,以下についての同意を前提としておりますので,ご理解のうえご利用ください。

▼ 「ぱそはだ設計」ご利用における同意事項
http://treeware.jp-help.net/elec/agreement

 この装置は1灯だけ点滅する仕様。2灯を交互に点滅させたい時は,前の記事「ぶりん助っ人 / BLINSCHETE」を参照。

▼ ぶりん助っ人 / BLINSCHETE
http://treeware.jp-help.net/?elec3

 「チカ」は単に LED が1つチカチカするだけのもの。「それが何に役立つのか!?」とか思われそうだが,こうしたものは「どう役立てるのか」は「作る人」が決めるんですよ。だいたい聴覚障害のある方むけに何らかの合図を送る器具としては,すぐにでも役立ちそうな気がしません? しかもご紹介するものは「どのように/どんな時に」点滅するのか異なる仕様が7種類! そうした様々な「作り方」をご紹介するのは,様々な状況の生じる現場になるべく柔軟に対応できるようにしたいとの思い。数種類ほど仕様があったほうが,現場が抱える問題の解消に向けた手段を考えるうえで選択肢も増えるはず。満足できそうな機能が既製品にない時も,「手作り」で実現する可能性が高まるわけです。
 言ってみれば「カレールー」とか「麻婆豆腐の素」のような加工食材みたいなもん。つまり,それだけで完成したものではなくて,あくまでも自分なりに使い方を考えて料理のバリエーションを広げる,要するに「素材」。ちなみに筆者はよく「ふりかけ」をパスタにかけて食べたりする。わさびがわりといける……脱線しそうなので深くは突っ込まないが……「ゆかり」はけっこう万能!
 それはさておき,たとえば,ドアや窓の開閉検知のための「ドアセンサ」という製品は,センサスイッチと磁石のペアだが,センサはドアや窓が閉じている時に導通していて開くと切れるものが多く,普通のドアベル直結だと「閉じている時に鳴って開けると止まる」のであまり役に立たない。じつはそれ専用のドアベルは,切断された時に鳴る仕組み。
 今回ご紹介する CHICA の仕様に「切断検知型」というのがあって,文字通り「切断されるとチカチカする」ので,それをドアセンサで使用すれば,ドアや窓が開いた時に点滅するようになる。ケーブルでセンサを設置すれば,ドアが直接見えない少し離れた場所でも「開けっ放し」を感知できるでしょう。詳しくは本文の「切断検知型」を参照。
 では,ドアや窓が開いている時に「チカチカするだけ」の製品を見たことあります? そうしたものは「作らないと手に入らない」のです。わさび味のパスタソースが簡単には手に入らないのと似たようなもの。
 ただチカチカするだけの仕様の他にも,「暗い時だけチカチカする」など,様々な仕様の組み立て方をご紹介します。

● 概要 / Synopsis

 仕組みとしては,知る人ぞ知るタイマー IC「555」という部品を使って LED を点滅させるもの。知らない方のために簡単に解説すると,別に富士重工とは関係ないです。この部品,筆者が初めて電子工作に興味を持った子供の頃からあるロングセラーで,使い方を知っていると何かと便利。今回はそれを「発振」に使って,LED を点滅させます。
 ここでは,簡単のために LED をほぼ電源電圧で点灯させる仕様。LED は規定を超えた電圧がかかると壊れ易いので,使う LED の規定電圧と電源電圧に注意。詳しくは部品説明の章の LED の説明の節を参照。
 部品とその配置を多少変えることで,仕様に7種類ほどバリエーションがある。詳細は後述の各節を参照。また,各応用については,後述の「応用」の章も参照のこと。

 なお,標準型以外の点滅テンポのデューティー比はだいたい 50%。IC の内部構造の違いで点灯時間が多少短い(デューティー比が小さい)こともあるが,標準型よりは点灯時間は長め。

◆ 標準型 / Standard

 通電している時に短くパッパッと光る仕様。デューティー比が小さい……つまり消えている時間のほうが長いので,何らかの状態を LED で示す器具として乾電池で使う場合は「点きっぱなし」より寿命を長くできる。デューティー比的にはせいぜい数パーセントほどなので,平均的な消費電流は 1mA 以下。仮に単三のアルカリ乾電池が 1000mAh だったとすると千時間,点けっぱなしにしてもひと月半以上はもつ計算。LED を乾電池で点灯させ何らかの標示……インジケータとして使用すれば,消費電流を抑えて乾電池の節約や交換手間を減らせる。しかも「点滅」することで,時間変化がない「点きっぱなし」より注意喚起機能も高くなることが期待できる。

◆ ゆっくり点滅型 / Half duty cycle

 前述の標準型は点灯時間がかなり短いため,そのままでは「目立たせる」目的を達成しにくいと考えられる場合,点灯する時間が長くデューティー比が 50%……つまり点灯状態と消えた状態が同じ時間で点滅するこの仕様がオススメ。じつはこの仕様で使う部品は最も少なくて済み,そのぶん組み立ても少し簡単。
 反面,標準型と比べ点灯時間が長いぶん消費電流も多めで,乾電池で使う場合は寿命も若干短い。あまり「点けたまま」では使わないとか,乾電池ではなく,USB 電源や AC アダプタで機能するものに組み込むなら簡単でいいかもしれない。

 ここに挙げた例では部品も標準型と同じ(抵抗 470KΩ+電解コンデンサ 4.7μF)ものを使ったが,そのままでは若干点滅テンポがゆっくり過ぎるかもしれない。テンポは抵抗値×コンデンサ容量に比例し,記載の例では 470K×4.7μ=470000×0.0000047≒2.2(秒)で,実際はこの 1.2~1.3 倍程度の周期になる。点滅が2秒に1回以下となるとかなりゆっくりな感じだから,注意喚起のため「目立たせる」のが目的なら,もう少し速く,その3分の1以下くらいでいいと思う。たとえば抵抗かコンデンサの容量「どちらか」を5分の1くらいにするとしたら,抵抗なら 100KΩ,コンデンサなら 1μF くらいにすれば,テンポも5倍速い約 0.6 秒に1回の点滅となる。この変更をする場合はどちらか片方。両方半分(抵抗 220KΩ+コンデンサ 2.2μF)なら4分の1にできる。

◆ 切断検知型 / Break on

 導通が切れた時に点滅する仕様。「普段つないでおくべき箇所」や,共用の道具の置き場に設置し,その道具が使用中で「そこにない時」にスイッチが切れて点滅するなど,通常とは異なる状態の感知や,周知の補助的な用途を想定。
 たとえば,扉や窓の開閉を検知する「ドアセンサ」と呼ばれるものがある。別名「マグネットスイッチ」とも呼ばれるとおり,センサスイッチと磁石のペア。通常は磁石側をドアや窓の可動部分,センサを枠側に取り付けて使う。ドアや窓が閉じた状態でその2つが近接するよう設置しておき,ドアや窓が開いて2つの部品が離れるとセンサの状態が変化する。ただそのセンサは扉や窓が閉じ(磁石と近接し)ている時に導通し,開く(2つが離れる)と切断されるものが多い。そのままドアベルに直結すると「閉じている時は鳴りっぱなしで,開けると鳴らない」ことになり,あまり役に立たない。使えるドアベルもあるが,多くはこの切断検知型と同様「導通が切れると音が鳴る」仕組み。この仕様ならば開いて磁石とセンサが離れて導通が切れると点滅するようになるので,「なるべく閉じておいたほうがいい」扉や窓などに設置することによって「開放」時の注意喚起になる。
 この仕様では「断線」の時も点滅するので,フェイルセーフの仕組みとしても使える。
 ただ,導通している時に微弱な電流が流れたまま……つまり点滅のない時も「待機電流」があるため,乾電池も消耗する。とはいえ 1mA もない微弱なもので,おそらく単三乾電池でも計算上は数千時間,数ヶ月は「待機」が可能。小型でなくてもいいなら,単二や単一などの大きな乾電池を使えば,使い方にも依るが1年前後は使えると思われる。

◆ 夜型 / Nightly

 暗い時に点滅する仕様。前述「切断検知型」に明暗を感知する部品を追加し,それに合わせ部品を1つ調整したもの。暗い場所で分かり易くしたいもの,たとえば電灯のリモコンと一緒に置いておく,暗くなると見えづらくてぶつかる恐れがあるものの位置標示などの用途を想定。
 やはり待機電流があり,「切断検知型」よりも若干多めだが,明るい時は通電していても点滅しないので,日光や照明の届く場所なら乾電池でも寿命的にはそう極端に短くなることはないと考えられる。

 この仕様で使う CdS(カドミウムセル)という部品は,明るいと電気を通し易くなる性質がある。一方,用途的には「暗くなった時に自動的にランプが点滅してほしい」ことが多い。そこで,前述「切断検知型」の「電気が通らない時に機能する」性質を利用して,CdS が電気を通し易い時は機能しないように部品を調整したものがこの「夜型」。

◆ 照明検知型 / Light on

 明るい時に点滅する仕様。「夜型」で使う部品を数個つなぎ変えることで実現する。「点滅⇒明るい」ということの標示になるため,照明を消すと真っ暗になる部屋が使用中かどうかなどを知るのに使える。最近多い人感センサ照明を使用した部屋などで使うと便利でしょう。特に,個人的な面会室やトイレのようなプライバシーを保つことが重要な場所にはカメラやそれに紛らわしい機器は設置できないので,使用中かどうかを知るにはこうしたセンサと標示器の利用が有用。

 「夜型」の回路で IC を機能させる端子に CdS(カドミウムセル)という部品を通してかかる電圧のプラスとマイナスを逆にしたものが,この「照明検知型」。

◆ 保持型 / Retention

 「セット」と「リセット」の2つのスイッチで操作する仕様。セット用に押しボタンを接続した場合,一度押すと点滅を始め,手を放しても点滅を続ける。リセット用に接続したスイッチを押すと点滅は止まる。セットかリセット,最後に押されたスイッチ状態を「保持」する仕様。
 一般的な押しボタンは,押している間だけ導通し,放すと切断される(「モーメンタリ型」と呼ばれる)から,CHICA の前述した各タイプをそうした押しボタンで使った場合は,押している間だけ点滅して放すと止まる,あるいは切断検知型では,逆に普段導通している状態では点滅せず導通が切れると点滅する,といった動作になる。いずれも通常状態に戻ると点滅も停止するが,この保持型では押しボタンから手を放しても停止せずに点滅を続ける点が異なる。
 押す度に「導通/切断」が切り替わる押しボタンスイッチは「オルタネイト型」と呼ばれるが,保持型の動作はそれとも違う。というのは,オルタネイト型の押しボタンは「2回押すとオフ(元の状態)」になりオンの状態は保持されない。間違った操作で,たまたま2回,あるいは偶数回押してしまうと「オフ」状態になるため,「間違った」ことに気が付かないままでいるとトラブルの元となるナースコールのような機能には向かない。そうした機能には,何度押されても,押したままでなくても「押されたこと」を保持してくれる仕組みが必要になってくる。
 もちろん,手作り品では信用度的に「ナースコール」には置き換えできないが,そうした命に関わるほどではなくても,似たような動作が,手に入れ易い「モーメンタリ型」スイッチで実現できる点が役立つケースもあるのではないかと思う。「そのうち誰かが気付けばいい」程度の何らかの呼び出しや通知,状態標示のような用途で,音では聞こえにくい場所(ガラス越しの部屋や元々騒音が多いとか),あるいは音を鳴らしたくない場所(舞台袖や図書館とか)で重宝しそうな気がする。たとえば,軽い怪我や病気の療養などで寝ていて「喉が乾いた」程度で誰かを呼ぶために,緊急時も同じ音が鳴るナースコールを使うのが気が引けるような時は,このレベルの機能でいいのではないかという気がする。
 郵便受けの差し入れ口やドアが開いた時オンになるようにスイッチを設置しておくと,一度でもスイッチが導通すれば点滅状態となるため,配達物の存在や誰かがそのドアを開けて通った可能性がわかるだろう。

 なおこの「セット/リセット」のスイッチは,ある端子を電源のプラスと接続するか,マイナスと接続するかで決まるため,両方のスイッチが同時にオンになると電源のプラスとマイナスがショートしてしまい,故障の原因になる。同時にオンにしないことが前提なので注意。心配な場合は,セットスイッチ側に直列に 1KΩ くらいの抵抗を入れる。

◆ タイマー型 / Timer

 一旦スイッチをオンにすると点滅を開始し,スイッチがオフになってからも一定時間点滅を続けて止まる仕様。スイッチがオンのまま状態は点滅継続。ここで作り方を紹介するものは 10 秒程度で止まるが,部品を変えることで数十秒程度まで調整可能。およその継続時間は以下の式で近似的に求められるが,使用した IC の特性などにより多少異なる。

▼ 継続時間の計算

コンデンサ容量(F)×抵抗値(Ω)×1.2
 例: 22μF×470KΩ×1.2
 =0.000022×470000×1.2
 =12.4 秒

 気を引く目的でおもちゃなどに組み込んだ時,「スイッチが導通している間だけ点滅する」仕様では,ある程度スイッチを「押したまま」にできないと光り方が瞬間的か断片的になってしまい,目的が果たせない可能性がある。その点,タイマー型ならオフ後も一定時間点滅する。

● 部品 / Parts

 ここでは「ぱそはだ設計」で使う部品について詳しく説明します。

 表にしたものがこちら。

 なお,各部品の入手方法や取扱い方,ハンダ付けの仕方,組み立て時の留意点などは以下の記事にまとめてあるので,そちらを参照のこと。この器具の各部品の説明にも,各部品ごとのリンクを掲載します。

▼ 現場で活きる「電子工作」
http://treeware.jp-help.net/?elec2

◆ 基板 / PCB

 裏面の配線が要らない「ぱそはだ設計」で使う基板は,どの仕様でも秋月電子通商という部品屋さんで売られている商品番号 108242,矢島製作所製造の AE-DB1。他の一般的な基板は裏面で配線が必要になるので,「ぱそはだ設計」で組み立てたい方はこの基板を使用のこと。
 該当の基板は長い辺に穴が 17 列並んでいるが,この器具のいずれの仕様も,組み立てで実際に使う部分はそのうち6~8列=半分以下のものが多く,その場合は基板を2等分すると2つ作れる。組み立てた後の切断はたいへんなので,小さく作りたい時は事前に切ったものでの組み立てがおすすめ。必要な最小の大きさは,各仕様ごとの説明を参照。
 以下も参照のこと。

▼ 現場で活きる「電子工作」◆ 基板
http://treeware.jp-help.net/?elec2#term3.2

◆ タイマー IC 555 / Timer-IC 555

 古くからある IC で,様々なメーカーが製造・販売している。「ぱそはだ」では DIP8 パッケージを使用。
 「タイマー IC 555」と称して売られている製品なら機能もピン配置も同じだが,じつは製品により使える電源電圧が微妙に違うことがあるので,使う電源と IC の仕様をよく確認して入手する。最低電源電圧が 4.5V の製品は乾電池2個(約 3V)ではまともに動かない可能性が高いので,乾電池2個で使うなら最低電源電圧が 2V のものを選ぶ。部品屋さんのサイトで見つけたいくつかの製品の最低電源電圧はこんな感じ。

 LED の規定電圧と電源電圧が適合すれば,上記のどれでも使用可能。挙げた値は最低値で,これを上回る電源電圧が必要ということ。たとえば乾電池2個(充電電池は 2.4V)で使うなら 2V のものでないとうまく動作しない可能性がある。乾電池3個以上なら 3V,USB 電源(5V)で使うなら 4.5V のものでも使えることになる。また,LED の規定電圧も電源に合わせて用意する。一般的な赤,緑,黄色 LED の規定電圧は 2V くらいが多く,USB の電圧では高過ぎる。USB で使うなら電流制御部品内臓で,5V 直結でも使えるような電流制御型 LED を使用する。

 設置時は位置と方向に注意。

◆ 発光ダイオード / LED

 規定電圧を確認し,電源電圧に合うものを使う。
  LED は電流を制限する部品と一緒に使って電源電圧が直接かからないようにすることが多いが,ここでは組み立てを簡単にするため電流制限部品を省いたので,LED をほぼ電源と同じ電圧で点灯させる設計になっている。LED は規定を超える電圧で壊れ易いので注意。一部の LED には電圧が高い時に電流を制御する部品が内臓されていて幅広い規定電圧で使えるものもあるが,その他の一般的 LED の規定電圧は,赤,緑,黄色あたりで 2V,他の色は 3.5V ほどが多く,これらを大きく上回る電源電圧で使うと壊れる可能性が高くなる。規定電圧が 2V なら乾電池2個の 3V,規定電圧が 3.5V なら乾電池3個の 4.5V ほどまで大丈夫だが,これを超えて,たとえば USB の 5V 電源で電流制御部品内臓型ではない LED は使わないほうがいい。逆に電流制御型 LED なら,USB の電源でも使える可能性が高い。
 極性があるので設置時は方向に注意。LED については,以下も参照。

▼ 現場で活きる「電子工作」 ◆ 発光ダイオード
http://treeware.jp-help.net/?elec2#sect3.7

◆ 抵抗 / Resistor

 仕様によって必要なものが異なる。以下のとおり。

 極性はない。設置時は位置のみ注意。
 じつは標準型の 4.7KΩ は,設計当初は 10KΩ だったが,電圧と IC の微妙な特性の関係で点滅しないことがあるようなので下げた経緯がある。なので,もし点滅しなかったらさらに少し値を小さくしてほしい。
 また切断検知型の 470KΩ 1本はただの「プルアップ」なので,33K ~470KΩ の範囲で OK。33KΩ なら N 型,L 型と使う抵抗は同じ。
 抵抗については,以下も参照。

▼ 現場で活きる「電子工作」 ◆ 抵抗
http://treeware.jp-help.net/?elec2#sect3.4

◆ 電解コンデンサ / Capacitor (polarity)

 ここでは点滅発振用に 4.7μF を使ったが,1μF~22μF の範囲で置き換えが可能。値が小さいほど点滅のテンポが速い。特に標準型以外では 4.7μF だとゆっくり過ぎな感じがするので,1μF くらいでもよさそう。
 そのほか追加で1個必要になるのは,保持型(R)で点滅用に使ったコンデンサの3倍以上の容量が保持用として,またタイマー型(T)で 10μF 以上がタイマー用に必要。ここではどちらも 22μF を使用。
 極性があるので設置時は方向に注意。電解コンデンサについては以下も参照。

▼ 現場で活きる「電子工作」 ◆ 電解コンデンサ
http://treeware.jp-help.net/?elec2#sect3.9

◆ ダイオード / Diode

 保持型(R)で「小信号用」のもの1本必要。他では不要。
 「小信号用」として売られているものの中で最も手に入れ易いもので OK。特定の型番を入手する必要はない。
 極性があるので設置方向に注意。ダイオードについては以下も参照。

▼ 現場で活きる「電子工作」 ◆ ダイオード
http://treeware.jp-help.net/?elec2#sect3.6

◆ カドミウムセル / CdS

 夜型(N)と照明検知型(L)で必要。明るさを感知する部品で,メーカーにより仕様に大きな差はないため,型番指定は不要。最も手に入れ易いもので OK。極性はないので,設置時は位置のみ注意。

◆ ジャンパ / Jumper

 これはわざわざ購入するものではなく,抵抗やコンデンサなどリード線のある部品を設置した後に切り取った余分なリード線の切れ端が流用できる。ハンダ付けの仕方などは,以下を参照のこと。

▼ 現場で活きる「電子工作」◆ ジャンパ
http://treeware.jp-help.net/?elec2#term3.11

◆ 電源,電池ボックス / Power, Battery

 これは「どういった使い方をするか」でかなり違ってくるが,比較的入手し易い LED の赤か緑,黄色は規定電圧が 2V ほどなので,乾電池2個用(3V)の電池ボックスで使える。もちろん電圧が同じだから 3V のボタン電池などでも動作するが,LED がワリと電力を食うので,小さな乾電池だと点灯させる時間が長い用途は頻繁に電池交換が必要になり少々使い勝手が悪くなる。その場合,「たまに点ける」程度で小さいほどベターな用途なら使えるかもしれない。
 一方,白や青などの LED では規定電圧が 3.5~3.8V と高めのため,乾電池3個用(4.5V)の電池ボックスで使ったほうがいい場合が多い。これは部品屋で電池ボックスを買うよりも,百円均一店にある乾電池を3個使う LED ライトなどを改造したほうが簡単。内臓されている LED とスイッチもたいていそのまま流用できる。
 それ以外,たとえば電動車椅子の電源と連動させて,運転時に周囲に注意喚起をするために使うなら,その電動車椅子の電源を併用できるように作れば,電池交換が不要になり「電池ボックス」などの部品も要らない。その場合,車椅子の電源は一般的な LED の規定電圧より高いことが多いので,電流制御部品内臓タイプの LED を使う必要がある。

 1回の電池交換でどれほど使えるのかは,切断を検知する必要がある「切断検知型(B)」と,また「夜型(N)」と「照明検知型(L)」でも明るさ検知のために待機電流が必要なため,点滅していない状態でも乾電池は消耗する。ただ微弱ではあるので,単三乾電池でも少なくとも数ヶ月は「待機」可能とは思う。一方,小型化する必要性がそんなになければ,別に単二や単一の乾電池を使ってもいい。大きな乾電池なら,点滅させる頻度にも依るが1年前後は使えるのではないかと思われる。他の仕様は,消耗度は点滅させる頻度によって違ってくる。

 電源の決め方などは,以下も参照のこと。

▼ 現場で活きる「電子工作」◆ 電源,電池ボックス
http://treeware.jp-help.net/?elec2#term3.12

● 製作 / Assembly

 ここでは主に「ぱそはだ設計」で製作にチャレンジする方むけに説明したい。
 各仕様ごとにとりあえず回路図は掲載したものの,初心者の方は見てもよく分からないと思うので,とにかくその後にある配置図を見て組み立てちゃってください。回路図は,回路そのものに改良を加えて応用できるような方の参考になればと思います。

◆ 組み立て時の工夫

★ LED を浮かせて設置

 LED は主に正面に向かって光が強く出る設計なので,この記事の図にある通り基板にぴったりくっ着けて設置すると,ほとんど上方向にしか光が出ないため,周囲が明るい時は横から光が見えづらいことが多い。そうした場合,LED を基板にぴったりくっ着けて設置せず,リード線で浮かせて設置しておけば,そのリード線を曲げることで光の出る方向や位置がある程度変えられるようにできる。
 あるいは,LED を設置する穴からケーブルを引き出し,その先に LED を設置すれば,LED の位置は自由に決められる。その場合,LED は極性を間違うと点灯しないうえ,ケーブルをつなぐと極性が分かりにくくなるので,LED の設置はいちばん最後にして,まずは基板から引き出したケーブルの導線部分を LED の2本のリード線に巻きつけた仮固定状態でハンダ付け前に動作確認し,点かない時は LED のリード線を逆につないで点灯を確認してからのハンダ付けがオススメ。

★ 事前に基板を切断しコンパクトに

 小さく組み立てたい場合,基板にカッターなどで事前に「切れ目」を入れておくか,もう最初から部品の配置に必要な列数ぶんだけ切断したものを使って組み立てるといい。ある百均店で4個百円で売られているスリムタイプの食品ケースは,単3乾電池2個用のホルダを入れると横に空くスペースがだいたい基板の穴7列ぶんになるが,ここで使う基板「真っ二つ」だと8列になるのでその乾電池ホルダと一緒に入れて使うのはちょいキツい。最初から7列以下になるように「必要最小限の列数ぶん」切っておいてそこに組み立てれば,完成したものをそのケースに収めて使えてコンパクトで便利。特に,切断検知型(B)と夜型(N)の標準的な組み立てでは基板の穴を8列使うが,LED をぴったりと基板にくっ着けて設置せずに浮かせるか,ケーブル接続タイプで組み立てると7列で済む。詳細は B 型組み立ての説明を参照。また実際のその食品ケースの使用例を「応用」の章の「引き戸錠の実例」の項に掲載した。

◆ 標準型(S: Standard)

 回路図は以下のとおり。

▼ 標準型回路図
標準型回路図

 部品の配置は以下のとおり。

▼ 標準型部品配置図
標準型部品配置図

 中央の縦2列は使わないので,横6列使えばどこでもいい。別に必ず基板の端を使ってネジ穴をまたいで使わないといけないわけではない。
 実際に配置した写真はこちら。

◆ ゆっくり点滅型(H: Half duty cycle)

 回路図は以下のとおり。

▼ ゆっくり点滅型回路図
ゆっくり点滅型回路図

 部品の配置は以下のとおり。

▼ ゆっくり点滅型部品配置図
ゆっくり点滅型部品配置図

 これも中央の縦2列は使わない。特に必ずネジ穴をまたいで使う必要はなく,6列分ならどこでも OK。実際に配置した写真はこちら。

◆ 切断検知型(B: Break on)

 回路と配置は後述の夜型もほぼ同じ。回路図は以下のとおり。

▼ 切断検知&夜型回路図
切断検知&夜型回路図

 部品の配置は以下のとおり。切断検知型では上部の抵抗に 470KΩ を使い,左側の「CdS」と記載の場所に「ドアセンサ」などの切断を検知するためのスイッチか導線を接続して使う。

▼ 切断検知&夜型部品配置図
切断検知&夜型部品配置図

 実際に配置した写真は夜型のものを参照。切断検知型は CdS(カドミウムセル)が設置してある場所に「ドアセンサ」などの切断を検出する検知器やスイッチなどを接続して使う。
 前掲のパターンは「LED を基板上にぴったりくっ着けて設置する」ことを前提にしているが,ぴったりくっ着けずにリード線で少し浮かせて設置すると,そのリード線を曲げることで LED の向きをある程度変えることができるので,使い勝手がよくなることがある。そもそも,おもちゃや百均店の乾電池式ライトなどに仕込むような使い方では,LED は導線接続になる可能性も高く,そうした前提はあまり意味がない。
  LED を基板上にぴったりくっ着けない設置が前提なら,濃い色で囲った部分は少し違う配置で組み立てられる。LED の横のジャンパ線を省略し,LED はそのジャンパ位置に1個穴をまたいで設置するか,あるいは導線を引き出して LED を外付けにすると,上の穴横一列分が不要になり7列で済む。配置図にするとこんな感じ。

 じつは「セリア」という百均店で4個百円で買えるスリムな食品ケースで,単三乾電池2個用ホルダを入れると横の空間がちょうど穴7列分になるものがある。最初から LED をくっ着けず設置する前提で横7列に切った基板で組み立てれば,そのケースに入れて使えてちょい便利。
 実際に「7列」配置にした写真は照明検知型の写真を参照。また,B タイプではないが,「応用」の章の「引き戸錠の実例」の項にその「セリア」のケースに収納した実例写真を掲載した。

◆ 夜型(N: Nightly)

 回路図と部品の配置は切断検知型とほぼ同じなので,前節の切断検知型(B)の図参照。夜型の違いは,上部の抵抗に 33KΩ を使い「CdS」と記載の場所にカドミウムセルを設置する点だけが異なる。LED を基板にぴったりくっ着けずに組み立てると7列で済む点も同じ。
 カドミウムセルは製品ごとに端子の位置が様々で,基板にぴったりとくっ着けて設置できる穴の位置でパターンを作るのはむずかしいので,浮かせて設置するか,導線を引き出しその先に設置すると,離れた場所の明るさを感知できる。極性はないので方向は気にしなくていい。

 以下が実際に8列パターンで配置した写真。右側の抵抗は,写真では 33KΩ だが,切断検知型(B)ではこれを 470KΩ にして,CdS(カドミウムセル)が設置してある2箇所の穴から導線を引き出して,「ドアセンサ」などの切断を検出する検知器やスイッチなどを接続して使う。
 なお,7列パターンの LED 部分は次節「照明検知型」の写真参照。

▼ 夜型写真(B 型は右の抵抗 33K→470KΩ)
夜型写真(B 型は右の抵抗 33K→470KΩ)

◆ 照明検知型(L: Light on)

 回路図は以下のとおり。使う部品はカドミウムセル(CdS)も含めて夜型と全く同じ。IC の RST 端子に接続する 33KΩ 抵抗と CdS の位置関係がプラスとマイナスが逆になるような感じ。

▼ 照明検知型回路図
照明検知型回路図

 配置も夜型に似ているが右側の 33KΩ 抵抗と CdS の設置位置が逆になり,それに合わせ左側のいくつかの部品の位置が少し移動している。一方,LED を基板にぴったりくっ着けずに組み立てると7列で済む点は同じ。以下の図はその7列で済むパターンのもの。

▼ 照明検知型配置図
照明検知型配置図

 実際に配置した写真はこちら。LED を浮かせて設置する7列版。

◆ 保持型(R: Retention)

 回路図は以下のとおり。左の SET は点滅開始用のスイッチを接続する箇所で,配置図の Sp と Sc に相当する。RESET は停止用のスイッチを接続する箇所で,配置図の Rg と Rc に相当する。それぞれ押しボタンやスイッチ接続用ジャックなどを設置して使う。

▼ 保持型回路図
保持型回路図

 部品の配置は以下のとおり。ジャンパ線のうち実線で示したものは両スイッチを外付けする場合。点線のように少し曲げると「タクトスイッチ」と呼ばれる小さな押しボタンを基板上に設置できる(詳細後述)。

▼ 保持型部品配置図(通常)
保持型部品配置図(通常)

 右側の Sc-Sp と左側の Rc-Rg は,それぞれそこから線を引き出してスイッチを接続する箇所。Sc-Sp はセット(点滅開始)用,Rc-Rg はリセット(停止)用に押しボタンのようなスイッチや接続用ジャックなどを設置。Rg の穴は電源のマイナスと共通。
 注意すべき点は,この回路はセット/リセットのスイッチが「同時にオンにならない」ことが前提。というのは,IC の RST 端子(④ピン)を電源のプラスとマイナスそれぞれの間とつないでセット/リセットを切り替えるので,両方のスイッチが同時にオンになるとプラスとマイナスが同時に端子とつながりショートしてしまう。電源が乾電池の場合,頻繁にその状況が起きると消耗が早くなる程度だが,他の電源の場合はダメージを与えて故障の原因になる。心配な時は一番上の横のジャンパ線を 1KΩ 程度の抵抗で置き換えるといいが,押しボタンを一緒に設置するには少々狭い。可能なら小型の抵抗(⅛W)が使えればベスト。

 「タクトスイッチ」と呼ばれる 5×5mm と小型の押しボタンスイッチがわりと安価に手に入る。下記写真左の4ピンのものがそれ。

▼ タクトスイッチ(左)
タクトスイッチ(左)

 部品の配置を少し工夫すると,このスイッチを基板上に設置できる。まずはジャンパ線のいくつかを配置図の点線で示したように少し曲げて設置。左上 4.7μF コンデンサはボタンが少々かぶるので,基板にぴったりくっ着けずに浮かせて,少しズラして設置(差し込む穴は同じ)して,右のダイオードと抵抗の上の穴付近のリード線を覆うよう押しボタンを「立体交差」させる。変更部分の配置図はこんな感じ。

▼ 保持型部品配置図(立体交差型)
保持型部品配置図(立体交差型)

 実際に配置した写真はこちら。右の黄色が点滅開始ボタン,左の黒が停止ボタン。

 以下は立体交差部分の拡大写真。手前にある黒い停止ボタンの横のコンデンサは少し浮かせてズラしてあり,奥の黄色い点滅開始ボタンの下に抵抗などのリード線が通っている。なお,写真では点滅を速くするため,コンデンサは 4.7μF の代わりに 1μF を使っている。

▼ 保持型実配置写真(立体交差型)
保持型実配置写真(立体交差型)

 「立体交差なんて邪道だ!」と思う方のために,回避するパターンも用意しました……が,ジャンパ線が少々増え,組み立ては必ずしもラクにはならないので,覚悟のほど。なお,立体交差回避パターンは,左側の LED とコンデンサ,ジャンパにも数ヶ所変更があるので注意。

▼ 保持型部品配置図(平坦型)
保持型部品配置図(平坦型)

◆ タイマー型(T: Timer)

 回路図は以下のとおり。左の Trig は点滅開始用のスイッチを接続する箇所で,押しボタンスイッチやジャックなどを接続して使う。

▼ タイマー型回路図
タイマー型回路図

 部品の配置は以下のとおり。左端のジャンパ線のうち1本を少し曲げて設置し,間の穴に電源のマイナス極を設置する必要がある。また右の Trig-Trig は,点滅スタートスイッチを外部に設置する場合に線を引き出す位置。これも前述の R 型と同様,「タクトスイッチ」押しボタンを基板上に設置できるが,外付けスイッチを押しボタンと併設する場合は,ボタンにかぶる穴から線を引き出す必要があるので注意。押しボタンを基板上に設置しない場合は,IC 右横のジャンパ線は曲げずに真っ直ぐでいい。

▼ タイマー型部品配置図
タイマー型部品配置図

 実際に配置した写真はこちら。LED とコンデンサがナナメに設置してあるのは分かり易くするためなので,実際はぴったり基板にくっ着けて設置していい。

 なお,左下の 22μF のコンデンサは,容量を大きくすると点滅時間が長くなる。単純に容量に比例し,たとえば 220μF にすれば 10 倍ほどになる。点滅時間を調整できるようにしたい時は,左側に縦に設置してある 470KΩ の抵抗を省いて,その抵抗を差す位置の2つの穴からそれぞれ導線を引き出し,1MΩ くらいの可変抵抗を接続する。可変抵抗は左2つの端子を使うのが一般的。その場合,右に回すと長くなる。

 こちらも「線を曲げて設置するなんて邪道だ!」と思う方のために,全てまっすぐなジャンパ線で配線できるパターンもご用意しています。以下のとおり。

 やはり少々ジャンパ線が増えちゃいます。ただこのパターンでは点滅時間調節用の半固定抵抗を基板上に設置できる。まず左の抵抗を点線のジャンパ線に置き換え……つまり,抵抗は省略し,その下の穴と,上の穴のひとつ下とをジャンパで接続して(真っ直ぐで OK),上の濃い色の(VR 1M と記載した)部分に 1MΩ ほどの半固定抵抗(多くは部品に 105 と記載あり)を設置すると,それで点滅時間の調節が可能になる。半固定抵抗の設置は,丸みのある側の中ほどに1本出ている端子は左側に,端子が2本の側が右に来るようにする。抵抗と置き換えたジャンパ線に少しかぶる感じになる。

● 応用 / Applications

 応用例をいくつか考えてみたい。

◆ フェイルセーフ

 こうした手作り品にたいした信用度は期待しないほうがいいが,とりあえず「フェイルセーフ」を考えておいたほうが無難ではある。
 「フェイルセーフ」とは,ひと言で言うと「安全なほうに壊れる」ような仕組み。たとえば,ご紹介して来たような器具を乾電池で駆動する場合,電池が切れれば LED は点滅しない。だから「点滅していなければ大丈夫」な仕組みで使っていると,電池切れの時は「大丈夫じゃないけど点滅しない」状態も起き得るためトラブルの原因。逆に「点滅していない時は確認が必要」な仕組みで使えば,電池切れの時も点滅しなくなるから確認の必要が生じる。こうした考え方が「フェイルセーフ」。
 窓やドアなどは設置されている場により「施錠/解錠のどちらを安全と考えるか」が違うことがある。通常は施錠されていれば「安心」なので,その時に点滅するようにして,点滅していない時は「電池切れ」の可能性も含めて確認する仕組みにするのが一般的。ただ,たとえば構内ドアの場合,施錠されていると災害時の「避難」に問題が生じる可能性が出てくるから,通常は施錠すべきでない場合も多い。これは,施錠されると点滅が止まる仕組みにしておいて,点滅が止まっている時は確認することにしておくのが「フェイルセーフ」の考え方。

◆ ドアの開閉状態標示

 ここでは「施錠」ではなく,開閉のみの標示に使う場合について。
 最も簡単に実現するには,マイクロスイッチの「NC(Normal Close)端子」を利用するといい。「NC 端子」は,通常(スイッチのレバーが押されていない時)は C(COM)端子と導通していて,押されると導通が切れるようになっている。このスイッチを,ドアが閉じている時にレバーが押されるような場所に設置し,CHICA に接続しておけば,ドアが閉じている時はレバーが押されて導通しないので点滅せず,開けた時に導通してチカチカするようになる。

 また,ここで紹介した「切断検知型(B)」で組み立てれば,何度か述べた「ドアセンサ」が利用できる。ドアセンサの多くはセンサと磁石のペアで,たいてい2つが接近している時センサは導通し離れると切断される。一般的には,ドア側には磁石,枠側にはセンサを,ドアが閉じている時に2つが接近するように設置しておいて,センサを切断検知型の CHICA に接続しておけば,ドア開放時にチカチカするようになる。
 「切断検知型」で組み立てると,ドアセンサではなく,一般的な押しボタンでも実現できる。ドアが閉じている時にスイッチが押されるような位置……つまり閉じている時に導通するように設置しておけば,「ドアセンサ」を使う場合と同じ扱いになる。もちろん,マイクロスイッチの「NO(Normal Open)」端子を使っても同じ。

 「開いている」状態ではなく,たとえば「一度でも開けられて,そして誰かが通った可能性がある」ことを知りたい場合,「保持型」で組み立て,ドアが閉じた状態で押されるよう設置した「マイクロスイッチ」の NC(Normal Close)端子に接続しておけば,一度でもドアが開けばスイッチが導通し,ドアが閉じた後も点滅が保持されるようになる。

◆ 窓の開閉状態標示

 これも「施錠」ではなく,開閉のみの標示に使う場合について。
 窓の場合,閉じている時にスイッチが押されるような何らかの工夫が要る。「引き違い窓」なら,窓を閉じた時に奥と手前の2枚の窓が重なる中央付近に,ドアセンサや押しボタンなどのスイッチが押されるように設置するような感じになるだろう。標準型を接続すると閉じている時に,切断検知型を使うと開いている時に点滅する仕様となる。マイクロスイッチを利用した場合,使う端子によってどちらの仕様も実現する。
 次節に掲示している「引き戸錠の実例」の写真で,マイクロスイッチの A が「閉じている時にオン」のスイッチとして使っている。

◆ ドアの施錠状態標示

 一般的なドアの施錠状態標示に使う場合,「デッドボルト(施錠した時に出っ張ってドアが開かないようにする部分をそう呼ぶらしい)」を受ける「トロヨケ(ドア枠の袋側をそう呼ぶらしい)」の奥にスイッチを仕込んで,デッドボルトが確実にそこにはまった時に,奥のスイッチが押されてチカチカするような仕組みが考えられる。下の図参照。

 スイッチの上にはスポンジのような弾力性のあるものを接着したほうがいいと思われる。というのは,小さなスイッチは 0.1mm 程度のわずかな沈み込みでオンになるものが多く,するとデッドボルトがぴったり当たった時にオンになるようにしようとすると 0.1mm レベルで調整が要るためそう簡単ではない。温度変化や経年劣化などでデッドボルトの位置が少し引っ込んだだけでもオンにならなくなる。スポンジをはさむことで,オンになった後さらに少し押されても大丈夫になる……つまり「沈み込み」に幅ができて,調整が簡単になることが期待できる。

★ 引き戸錠の実例

 じつは筆者は少々「強迫神経症」持ちな面がある。
 筆者自宅の勝手口は引き戸なのだが,施錠されているかどうかかなり分かりにくい。特に外側は施錠されていてもいなくても見た目が同じ。普段は戸を開けようとしても開かないことを手で確認しているが,ある時,外から施錠したつもりでいたのに,それをしたら開いてしまったことがあり,さすがに焦った。鍵を差し込んで回すと2枚の引き戸が重なる中央部分にフックのようなものが出っ張って施錠される仕組みなのだが,どうもそれが十分に出ていなかったらしい。一度そんなことがあるとますます確認が念入りになってしまって,スゴく時間がかかる。
 一方,内側は施錠状態により「つまみ」の位置が違うから「よく見れば」分かるが,色が黒っぽいためにやはり「パッと見」ではわかりにくく,結局は同じように手で「開かない」ことを確認していた。だいたいこれも,2枚の引き戸がキチンと閉まっていないと中央がズレてしまうため,その「つまみ」の位置が「施錠」の状態でも,「施錠されていない」のと同じ状態も起こりうる。
 そこで今回この CHICA を使って「確実に施錠されているとチカチカする」ような仕組みを作ってみたいと思った。確実に施錠されているために必要な条件は,以下の2項目を同時に満たすこと。

 この2つそれぞれにセンサに相当するマイクロスイッチを使い,両方がオンの時 CHICA が機能するようにする。以下の写真が設置例。収納してあるケースは,「セリア」という百均店で4個百円で売られているスリムタイプの食品ケースで,単三乾電池2個の電池ケースを入れると横に基板の穴7列分ほどの空間ができるので,この例のように,基板を7列以下にカットしたものに組み立てると,そこにうまく収まる。

 まずマイクロスイッチ A は,2枚の引き戸がキチンと閉じて中央のみ重なっている時,奥の戸の出っ張った部分に押されて導通する。B は「施錠つまみ」が下がっている時に糸に引っ張られて導通する仕組み。これらを直列につないで CHICA の電源スイッチとして接続してある。写真はちょうどその2つの条件を満たし,LED が点滅しているところ。
 写真ではいずれのスイッチも「グルーガン」と呼ばれる接着剤で固定したが,アルミサッシの塗装がツルツルですぐはがれてしまったので,後に木片をはさむなどして両面テープで固定し直した。固定場所の素材によって最適な固定方法は違ってくるので,適宜対応してほしい。
 以下はこれを外から見た写真。

 この仕組みによって,遠くからも目視で施錠状態を確認できるようになり,わざわざ勝手口まで行って手で確認する必要がなくなった。

 それにしても,このご時世なのだから,「確実に施錠できたらオンになる」ようなセンサ付き「錠」くらいあってもよさそうな気がするが,今のところホームセンターなどでは見たことがないなぁ。

◆ 窓の施錠状態標示

 引き違い窓の中央に付いている耳のような形をした錠は「クレセント錠」というらしい。筆者としては「クレセント(三日月)」より「耳」のイメージが強いのだけどなぁ。
 それはともかく,「クレセント錠」が施錠されていると確実に知るためには,その錠を受ける「クレセント受け」に確実にひっかかっていることを検知する必要があるが……これがけっこうむずかしい。
 前述「ドアの施錠状態標示」で述べたような「小さな押しボタンとスポンジ」をクレセント錠にグルーガンなどで貼り付けて,施錠した時に「クレセント受け」にスポンジが当たりオンになる位置に設置するような方法が使えることもあるかもしれない。以下の図を参照。

 うまくいくと,カーテンを引いた後でも,パッと見で施錠状態を確認できるようになるかもしれない。こんな感じ。

 ただクレセント錠は形が様々だから,どんなものでも使えそうな手段はいまのところ思い当たらない。思いついたら,できればここに追記したいと考えている。

◆ 郵便受け

 CHICA を「保持型」で組み立てて,そのセットスイッチ側を郵便受けの受け口のフタが開いた時にオンになるような位置に設置しておけば,配達物があった時に LED が点滅するようになる。
 屋外に郵便受けがある場合,長い導線でスイッチをつないでおいて,装置は室内に設置しておけば,いちいち外に出なくても配達物の有無を確認できる。台風や大雪の時など,リスク軽減効果が期待できる。
 こうしたちょっとした手間削減とリスクの軽減を積み重ねることで,うまくコストダウンにつながればと思う。

◆ 個室の使用状況

 「照明検知型」の説明でも述べたが,電灯を消すと真っ暗になるような部屋なら,「照明検知型」の CdS(明るさを検知するセンサ)をその部屋に設置すれば,離れた場所で使用中かどうかが分かるようになる。
 人感センサなどで自動的に点くランプなら,センサを置くだけで連動するようになるため,工夫次第でかなり便利に使えるのではないか。

◆ 電灯のスイッチ位置標示

 以前は夜に部屋に入った時に電灯のスイッチ位置を探すのに苦労することがよくあったが,今は電灯が点いていない時に光る「ホタルスイッチ」などと呼ばれる設備や,あるいは「人感センサ」などというスイッチそのものが不要になるような仕組みも普及したこともあり,電灯のスイッチ位置を標示する意味は薄れてきている……と思いきや,少し前に実家で多少問題になった。それは「LED 照明に付け替え」た時。電灯を消したあと,リモコンをどこへ置いたか忘れるケースが起きた。真っ暗の中で探さないといけないわけで,少々困ったらしい。
 まぁ,それはその後出入り口付近に「専用置き場」を設置したことで問題は長引かなかったのだが,必ずしもしっかりとそこに戻してくれる人ばかりではないケースも考えられる。そうした場合,CHICA を夜型で組み立ててリモコンと常にセットで置いておくようにすれば,暗い時に光って場所が分かる。小型のケースに収納できればリモコンに貼り付けて使えそうだし,リモコンと同じ作動電圧で作れば,乾電池から導線を引き出してリモコンの電源と共用にすることも可能かもしれない。

◆ おもちゃなどへの組み込み

 LED をおもちゃなどに組み込んで点滅させて注意を引きたい場合に,「スイッチが導通している間だけ点滅する」仕様のものだと,スイッチを「押した(オンの)まま」の状態を維持できない方が使った時に光り方が瞬間的か断片的になってしまい,目的が果たせない可能性がある。そんな時は「タイマー型」を使えば,オフになった後も一定時間点滅が続くので,気を引く可能性も高まることが考えられる。

 LED を色違いでいくつか作っておいて,つなぐスイッチは同一のものにしてケーブル部分を隠すと「くじ引き」みたいなこともできそうですね。赤いチカチカのスイッチを押した人が「当たり!」みたいな……。

● おわりに

 当初は標準型とゆっくり点滅型,断線検知型の3種類くらいご紹介できればいいかな程度に思っていたんですけど,実験回路をごちゃごちゃいじっているうち,ちょっと配線を変えたり,部品の値を変えたりするだけで,「あ,こんな仕様も実現する!」なんてことにいろいろ気付いて,結果的に仕様が7種類にもなっちゃったような感じ。
 裏を返せば,この 555 という IC がいかに汎用的が高く柔軟性があるものかを示しているようなもの。なんたって,どれも追加の部品数個ほどの「つなぎ方」次第でこれだけの仕様が実現するわけだから,さすが筆者が子供の頃からのロングセラーだけのことはある。

 こんだけいろいろ考えられるのならば,さぞかし筆者の家はこうした自作器具だらけだろうと思われそうだが,じつはそうでもない。ご紹介したような機能のものを作れることは知ってはいても,なかなか実際に作る気にまでは至っていなかったのが現実。というのは,特定の機能を持たせるにはその機能専用の「配線」を考え,そしてこれまでは,それを基板の裏面で「配線」する必要があったわけです。じつはそれ,やり慣れていてもかなり「手間」に感じる。特に基板の配線パターンを設計する時,通常は部品を上から見た状態で考えるが,実際の配線は基板の裏面でするから,そのパターンを裏返して考えないといけない。頭ン中で裏返して組み立てているつもりでも,だいたいどこか間違える。当初は,ハンダ付け後に間違いに気付いたら,また融かして外して……なんてことを何度か繰り返していたから,かなり面倒。まぁ,少し経ってからは,設計したパターンをパソコン上で裏返して表示したものを見ながら配線していたから,そうした間違いは減ってはいたものの,やはりその「配線」そのものも面倒。部品のリード線を裏で曲げて配線するのだが,先細のペンチを使って,まず右に 90° 折り曲げて,5mm ほどのところで今度は左に 90°……と,表側から差した部品と裏返した図とを照合しながら進めて行くのは,結局いろいろと手間に感じていた。しかもリード線の曲げ具合がうまくないと,ハンダ付けの時に余計な部分がくっ着いてしまい,組み立て終わってもうまく動作しなかったりする。だから,よほど「どうしてもこの機能が欲しい!」と思わない限り,パパッと作って使おう……なんて気にはならなかったというわけ。ましてや,一般の方がそれをするとしたらかなりのハードルだったはず。
 ところが,そこに画期的な製品が登場! それがこの「ぱそはだ」の設計で使った「ブレッドボードパターン基板」。最初から部分的に配線されているもので,その配線をうまく活かせば,表側から部品を所定の位置に差し込んでそこにハンダ付けするだけで,裏面で配線することなく完成してしまうスグレモノ! 裏面の配線が不要ということは,配線そのものだけではなく,その配線が間違っていないかの確認と,余計な箇所がくっ着いていないかという心配もなくなるので,手間的には半分以下になったような気もする。今回も当初はせいぜい3種類程度の仕様だったのに,考えているうち増えてしまったのも,手間が減ったことで「気軽に作れる」ようになったことが一因にあると思う。
 そんな感じだから,技術分野に居てこうした機器の作り方を分かっていた人でも,やはり「パパッと」作って使う人はそんなに居そうにない気もする。やはりその都度裏面で配線するのはけっこう手間に感じていたのではないか。だから,こんなふうに特定の機能のものが「表側から部品を所定の場所に配置して裏面ではハンダ付けだけで作れる」となると,文字通り「パパッと」作って応用できることも増えるだろう。

 で,こうした単純な機能の器具が簡単に作れると「モジュール」的に使える可能性が出てくる。「モジュール」とは,技術分野では,多くの機器に必要となる共通した機能を単独で取り出したような部品のこと。たとえば,Wi-Fi や Bluetooth,USB などの規格がきっちり決まっているデジタル通信は,そのデータのやりとりをする「モジュール」が製品として手に入る。市販の充電器なども,ほとんどが USB 接続で,出力は 5V の直流と決まっているから,たいてい「家庭用電源の交流を 5V の直流に安定して変換するモジュール」が内部で使われていて,そこにメーカーが,充電し過ぎを防ぐタイマーやら電圧変化を検知し自動停止するやらの部品を付け足すなどの工夫をして,販売されている。
 料理で言えば,最初に述べた「カレールー」や「麻婆豆腐の素」みたいに,それ自体が完成品というわけではなく,応用して何かに使うための「素材」としての役割をするものが「モジュール」。自作したもので言えば,自家製の「ジャム」や「漬物」みたいに,それがメインになるわけではないが,作っておくと,または作り方を知っていると,他のものを美味しくするのに役立つ……そうした使い方のできる器具があってもいいのではないかと思う。

 当サイトでご紹介する「ぱそはだ」設計は,まさにそうした使い方のできるものになり得るのではないかと思っている。これまで,「ただ単に LED がチカチカするだけ」の器具など売られてなかったでしょう。でもそれがあれば,ドアや鍵に取り付けたセンサと連動させて,離れた場所や死角から開閉状態や施錠状態を確認したり,暗い時に目立たせるための「光るマーカー」とか,押しボタンを押すと光が点滅するだけの「鳴らないナースコール」みたいな使い方もできる。
 もちろん,「モジュール」としての製品そのもの,あるいはモジュールとして使える「組み立てキット」のような製品もあることはあるが,それらの中には新しい部品の需要喚起的な製品もあり「流行り廃り」も激しい。以前は売られていても製造しなくなってしまうものもあるし,あくまでも「試作品」で大量生産しないこともあるから,欲しい機能の「モジュール」が入手困難と判明した時どう対処するかが問題になりがち。そうした製品は,目的の機能ごとに「専用の」基板を使っていて,それはどこかの誰かが設計したもので,まずその基板が手に入るか……という最初の段階で壁にぶつかる。基板が手に入らなければ自作するかどこかに製造委託するしかないが,製品に使われている技術はメーカーごとにバラバラだから,独自に製作しようとした時に必要になる器具や技能もバラバラ。器具を揃えるコストとそれらを使うノウハウに加えて作る手間も要る。委託するにしても必要な技術を持つ委託先を探すのもたいへんだし,そもそも「プリント基板」の技術は本来「量産」が目的だから,せいぜい数個程度の委託では単価が万単位になっちゃったりする。自作や委託ができない時は汎用基板上に組み立てることになるが,述べたようにそれがけっこう面倒で,そもそもその裏面で配線するスキルを持っていなかったらあきらめるしかなかった。
 一方この「ぱそはだ」は,その「専用基板」が要らない。裏の配線もない。全て「汎用部品」。すると,それらを数点ずつストックしておけば,ある時「あ,今ここにあの『ぱそはだ』の機能が欲しい!」と思い立ったら,それらを使ってパッと作れてしまう。これが決定的な違い。そうなると,該当する「モジュール」がどこで手に入るか探してネット通販で手配するより早かったりもするわけです。

 「どこかの業者に頼まなくてもそれができる」ってことも重要。だいたい「鳴らないナースコール」とか,屋外の郵便受けに配達物が届いたかどうかを室内で標示する器具なんて,どこも作ってないでしょって。でも,そうした「ちょっとした機能」が使えればスゴく便利になるケースもあるはず。逆に言えば,その「ちょっとした機能」の器具がないがために,スゴい不便を強いられていたケースもあったのではないか。今までは,そんなちょっとした機能のものが欲しくても,売られてなかったらあきらめるしかなかったわけです。自分で作る方法を知っているかいないかで,QOL(生活の質)が大きく違う気がしません?

 いくらお金があってもないものは買えない。QOL を決めるのは,お金がなくても自分でできる方法をどれほど知っているか……ですよ。

 あ,もしこの「ぱそはだ」がお役に立てたら,よろしければご支援をお願いします。今後も「ぱそはだ」設計を増やしていこうと思います。

▼ ご支援のお願い
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