● 一般的な用途
[F1] キー(エフワンキー,エフイチキー)代表的機能は以下のとおり。詳しい解説は後述。
- ヘルプ(説明の表示)
これを「エフワンキー」と呼ぶと,何かものスゴく速く何かできるような印象もあるが……もちろんレーシングカーとは関係ない。むしろ,使い方によっては余計な処理で作業を遅らせる要因になることもある。
「F」とは,たぶん「機能」を意味する英語である「ファンクション(Function)」の頭文字だと思う。文字入力と異なり,何か「機能」を割り当ててある/割り当てられるという意味だろうと思っている。
● ヘルプ
「ヘルプ」とは,アプリの操作説明を表示する機能。このキーの役割として,どのアプリにも共通する機能としては,この「ヘルプ」くらいしか思い当たらない。
というわけで,以降はほとんど余談。
筆者は,[F1] キーにこの機能が割り当ててあることが時々煩わしく感じる。それは,特に「表計算」のソフトを使っている時。入力されている値を修正する際,隣の [F2] キーをよく使うのだが,ちょっと指がズレて [F1] のほうに触っちゃうと,「ヘルプ」の起動が始まってしまう。それでも,パッと出て来てくれるなら直ぐに閉じればいいだけの話なのだが,その起動にわりと時間がかかる。そのため,その「修正」ができる状態に戻せるまで間があいてしまうというわけだ。
とは言え,筆者が最近使っている表計算のアプリのヘルプはほぼ文字情報のみのため,軽いほうなのかもしれない。何より,突然「イルカ」が出て来て画面を乱されるよりはマシである。ちなみに,あのキャラをウチの母は,なぜか「くじら」と言っていた。そりゃ,確かに仲間ではあるけどさ。
それはともかく,頻繁に使うキーとの「押し間違い」により作業効率が落ちることを防ぐために,できれば単独押しではなく,[Ctrl] キーか [Alt] キーなどと一緒に押した時だけ「ヘルプ」の機能が働くようになっていたほうが使い易かったのではないかと思う。
「カスタマイズすればいいだけの話だろう」という考えもあるかもしれない。「カスタマイズ」とは,どのキー操作でどんな機能を呼び出すのかを使う側で設定できる仕組みだが,じつはこの [F1] キーでヘルプを呼び出す機能はほぼ全てのアプリに共通させる暗黙のルールがあるらしく,少なくとも筆者が使っている表計算アプリでは「カスタマイズ」で変更することができない。変えられるのは [F2] のほうだが,これまたほとんどのアプリで共通しているキー割り当てなので,あまり変えたくない。使用頻度で言えば [F1] のほうがずっと低いのだから,変えるならそっちを変えたいわけだが,それが許されていないので少々不満。
いつだったか,やはり何か「押し間違い」が多かったため,簡単には押せないようにしようと,キーボードの該当キーの中にバネを仕込んだことがあったと思う。キートップを取り外し,中に収まる程度に切ったバネを入れて,キートップを戻す。すると,そのキーが元から持っていた反発力に,そのバネの反発力も加わるため,軽く触れただけでは反応しなくなるというわけだ。ただ,それが [F1] だったかどうかは,記憶が定かではないが。
タッチタイピング(キーボードを見ずに打つ)をしていると,簡単に押さないほうがいいキーは,「簡単には押せない」ようになっているに越したことはないと,つくづく思う。
障害者向けに技術的な支援をしている筆者としては,こうした「特定のキーの押し圧を他のキーと異なるものにして,触った感じで区別できるようにする」ような加工は,触った感覚が重要な視覚障害者にとって役に立つこともあるのではないかという気がするのだが……まぁ,そうした相談は来たためしはない。
というわけで筆者は,[F1] の単独押しでヘルプが働く仕様は,あまり好きではない。