Wary-Basher 材料の補足


公開 (UL): 2018-09-24
更新 (UD): 2018-09-24
閲覧 (DL): 2020-10-27

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 Wary-Basher の製作を考えている方から,使用する素材について詳しく知りたいとのご要望があったので,ここで説明したいと思います。

● 板材

 Wary-Basher を作るための板材を探しにホームセンターに行った時,筆者はまず木材売り場を「見ません!」。どこに行くかというと,木材の加工場近くにある「端材」のコーナー。運がよければ,以下で紹介する適当な板材が数十円で手に入ります。ピッタリの大きさでなくとも,半分,あるいは何等分かするとちょうどいい大きさになる板などがあれば,数個分がまとめて手に入れられるようなものですから,大きな板を買って切って使うよりも安上がり! ホムセに寄り易い方は端材売り場をちょこちょこ見に行っているといいのではないかと思います。

◆ 大きさ

 ハガキよりもひとまわり大きい程度が標準的。一度に複数作る時は,たとえば6尺(1820mm)は 16 等分すると 114mm なので,180mm 幅の6尺板材を4回二等分すると作り易いかも。ただし,大きな電池を使うとか,スイッチも板上に設置して使いたい時などは,それなりに大きめを考慮。
 厚みは 12mm 程度以上あれば Ok ですが,厚ければ当然重いです。

◆ 材質

 様々なものがあるため,オススメ順に箇条書きにします。

● 割り箸

 角張っているタイプが使い易いだろうと思います。「元禄箸」と呼ばれているものが,安くて手に入れ易いでしょう。「利休箸」と呼ばれるものでも何とか使えると思いますが,両端が細くなっているため,組み立てる時に方向性が分かりにくいのではないかと思っています。一方,竹製で丸く面取りがしてあって円筒に近い形のものは,あまり向かない気がします。また「削ぎ箸」と呼ばれるものは,片端がナナメにカットされているので,用途によっては使いにくいかもしれません。
 ただ「割り箸じゃなきゃ『ダメ』!」ってことはないです。この器具の設計方針として「材料が手に入れ易い」ことを重要視したため「割り箸」を使っていますが,木口が 4mm 角程度と似たような大きさの角材があれば,割り箸と同じくらいの長さに切って使ってもいいわけです。

● ヒートン

 割り箸を通してキツ過ぎず緩過ぎない程度。「#2」と呼ばれる大きさが適当と思われます。
 割り箸の代わりに角材を使う時は,やはりそれが同様に通るくらいの大きさのヒートンを用意するといいでしょう。

◆ 「同じ高さ」ではダメ!

 ヒートンの固定時,ネジ込み具合いを「同じにしてはいけない」ので注意してください。両端のヒートンは板にメリ込ませる程度までネジ込みますが,中央のヒートンはやや浮かせ気味にします。そうしないと,割り箸が「立体交差」していますから,ヒートン側にも適当な高低差がなければ割り箸を取り付けた時に水平になりません。斜めになっていると,ヒートンと摩擦が発生して動きを弱めてしまうことがあります。

● モーター

 乾電池1~2個(1.5V~3V)で使う模型用を使います。
 本来は用途に応じ,反応の早さや押す強さを考えて規格を選ぶといいと思われますが,特に用途が思いつかない場合は,とりあえず模型用の一番安価なもので,特に大きな問題にはならないと思います。「作り方(PDF)」のほうにも記載しましたが,反応の早さや強さは,作り方によってある程度の調節もできます。

 ただ,マブチ製 200 番台のトルクの強いモーターを使った場合は,「糸」の素材を考える必要があると思います。「テグス(釣り糸)」を使ったらブチブチ切れました。詳しくは「糸」の章を参照。

◆ 用途による規格の選定

 留意すべき点としては「回転数」と「トルク」です。単純に言うと,スピード(反応性)が重要なら回転数の速いもの,チカラが強いほうがいいならトルクの強いものを選んだほうがいいワケです。
 たとえば,マブチ社のモーターが以下にあげられていますが,製品によって「回転数」と「トルク」が異なることが分かります。

▼ マブチの工作用モーター | Let's Motorize!
https://www.mabuchi-motor.co.jp/motorize/branch/motor/

 筆者は,この器具であまり「(押す)スピード」が重要になる用途というのが思い当たらないので,少しだけ「トルク」を重視して 140 辺りを使うことが多いです。

 もしも「なるべく反応が早いほうがいい」用途があるとしたら,何でしょうね。たとえば……この器具でハンドベルや木琴,鉄琴,太鼓などを叩いて「演奏」をするとなると,スイッチを押してから音が鳴るまでが短いほうが,鳴らすタイミングを取り易いかもしれません。そうした場合は,回転数の速い 130 のほうがよさそうな気もします。

◆ マブチ製

 小型モーターのトップメーカーであるマブチさん製なら,固定金具の「モーターベース」と巻き付ける糸のはずれ防止に使える「プーリー」が付属しているので,作り易いと思います。ただその場合は「木ネジ」も一緒に必要です。直径が 1mm~1.5mm 程度で,板材を貫通「しない」程度の長さのものを用意します。
 なお,既述のように,200 番台のトルクの強いモーターを使った場合は,「糸」の素材として「テグス(釣り糸)」程度ではブチブチ切れます。詳しくは「糸」の章を参照。

◆ その他のメーカー

 ホームセンターなどには,マブチさん以外のメーカー製のものも売られています。中には固定金具が付属しているものもありますが,ないものもあります(次節参照)。
 「回転数」と「強さ(トルク)」は,型番についている番号がマブチ社と同様な意味があると考えられ,通常は番号が大きいほどトルクが強くなると思われます。メーカーのウェブページで確認できれば,それに越したことはないです。あとは,パッケージ記載の適正電圧などを参考にして決めます。
 また,「プーリー」が付属しているものはマブチ社以外では見たことがないので,別途考える必要があります(次章参照)。

◆ モーター固定金具の代替

 固定金具が付属していないモーターを使う場合,金具だけ手に入れるとしたら,模型屋ならほぼ確実,運がよければホームセンターなどでも買えますが,いずれも少々高くつきます。また,なかなか「金具だけ」売っているお店が見つからないことも多いと思われるので,そんな時は「結束タイ」と呼ばれる樹脂製の固定具を代替に使うといいでしょう。詳細は後述の「結束タイ(結束バンド)」の章を参照してください。
 なお,キットの説明にはそれを使った固定方法が記載されています。

● 「プーリー」の役割と代替

 マブチ製のモーターやキットに同梱している「プーリー」は,本来の(ベルトを掛けて動力を伝える)用途ではなく,糸が「モーターの軸」に確実に巻き付いて外れないようにするために使います。そのため別に「プーリー」でなくても,軸にハメて外れにくい円盤状のものなら何でもいいワケです。筆者がよく代わりに使うのは,厚さ 1mm 程度の軟質プラスチック(塩化ビニールやポリプロピレン〔PP〕,あるいは発泡性プラスチックなど)かゴム板を,直径 8~10mm 程度のポンチで抜き,円盤の中央に穴を開けて使っています。または,少し固いですが,飲料ボトルや食品パックに使われる PET 樹脂,お菓子やマーガリンなどの空き容器のプラスチックでも,薄めであれば使える可能性があります。
 あける穴は,モーター軸の直径は 2mm ですが,ピッタリ同じ穴径にすると外れ易いので,少し小さめの 1.5mm くらいの穴をあけておいて無理に押し込んでいます。軟質や薄めのプラスチックなら,穴が広がって何とか入ると思います。ゴム板を使う場合は,あける穴はもっと小さくてもいいでしょう。

● スイッチ制御系の部品

 筆者が製作指導の時に用意するもの,またキットに付属しているものは,直径 3.5mm のミニジャックで,一般的な福祉機器用のスイッチの接続に使われているタイプです。
 ただ,モノラルイヤホンに使われているものと同じ規格なので,家電店や百均店などで「モノラルイヤホン用延長コード」を買って来て2つに切れば,ジャック(凹)の側がその接続として使えます。
 ジャックが手に入らない場合は,もし「BD アダプタ」と呼ばれるスイッチ接続アダプタがあれば,それを使ってもいいでしょう。モーターと電池を直結して,電池ボックスにその BD アダプタを設置してスイッチをつなぎます。ただこの場合,BD アダプタの設置前に電池を入れるとモーターが回りっぱなしになってしまうので注意しましょう。
 それもない時は,スイッチを直接つないでしまっても使えます。

● 輪ゴム

 一般的なもので大丈夫。

● 糸

 長さとしては,10cm 強ほどもあれば足りると思います。
 材質は,細くてしなやかで丈夫なほどいいです。ミシン糸あたりではちょっと心許ないかもしれません。テグス(釣り糸)あたりが最適だと思われます。
 ただ,モーターの章で述べましたが,マブチ社製 260 番のモーターを乾電池2個で使ったら,テグス程度ではブチブチ切れまくりました。そこでストラップ用糸を調達して使ったところ,何とか切れなくなりました。なのでこの「ストラップ用糸」が調達しづらい場合,100 番台の弱めのモーターを使うか,「強さ」が必要なためどうしても 200 番台のモーターを使いた時は,乾電池1個で使う……などしておいたほうがいいかもしれません。
 とはいえ,その「ブチブチ切れた部分」はほぼ必ず「結び目」だったので,いずれにせよ,その「結び目」に大きなチカラがかからないように工夫しておいたほうが,長持ちするのではないかと思います。筆者が公開している「作り方」のほうには,その方法が記載されています。

● 電池

 「標準」として,Wary-Basher キット,あるいは筆者が製作指導をする時は,トルク,回転数の面での汎用性を考えて,乾電池は2個(3V)使っていますが,「操作対象を軽く押す程度」でのみ使う場合は,電池1個で間に合う可能性もあります。適宜判断してください。
 大きさですが,標準では板上への設置を考えて「単3」としていますが,使い方によっては単1や単2などの大きめの乾電池を使ったほうがいい場合もあります。頻繁に使うような時はもちろんですが,使用者が「スイッチを押しっぱなしにすることが多い」ような場合も大きいほうがいいです。というのは,スイッチを入れっぱなしで動いてない時も,その間ずっと電流が流れ続けるので,電池の消耗が早くなるためです。
 また,イザという時に電池切れが頻繁に起きては困るような用途にも(たとえば,緊急ではないけど人を呼ぶ時の合図に使うとか),なるべく大きめの電池を使ったほうが無難でしょう。それでも「電池切れ」は起きるので,緊急時に機能しないと困るような用途は避けるべきです。
 なお,大きな電池を使う場合は,電池ボックスは無理に本体の板上に設置せず,スイッチ接続部分(ジャック)と合わせた「電源装置」などを別途作成したほうが使い易くなるかもしれません。使い方によって,適宜判断してください。

 逆に,小さい単4の場合,他と比べ電池交換の頻度が多くなって使いにくいかもしれません。が,最近のニッケル水素充電電池には,従来の単3並の容量のものもあるので,あまり頻繁に使わない用途や,小型化や軽量化を重視したい時は,「単4型ニッケル水素充電池専用」と割り切って使うのも選択肢かもしれません。ただ充電池は1個 1.2V と電圧が低いので,この場合は2個で使ったほうがいいような気がします。

● 結束タイ(結束バンド)

 固定金具が付属していないモーターの場合,金具の代わりに「結束タイ」と呼ばれる樹脂性の固定具を使うと簡単で安上がりです。キットではこの固定方法をしています。

 板に2箇所,または4箇所の穴を開け,穴に2本の結束タイを通してモーターと板を固定します。

▼ 2または4穴+結束タイでモータを固定する案
2または4穴+結束タイでモータを固定する案

 結束タイは少々細いものでもけっこう丈夫なので,モーターのサイズと板との厚みを考慮して「長さ」を決めて手に入れてください。
 あける穴の大きさはその「結束タイ」の幅などを考慮して決めます。



© M.Ishikawa; TREEWARE 2020.