オムロン棒スイッチ

WOMB001

● 概要


● 使い方

プラグを,機能させたい装置などに接続します。スイッチの本体部分を固定し,バネ,あるいはその先の樹脂部分を傾けるとオンになります。
 

● 応用

  ◆ 体位の崩れや徘徊などの検知
たとえば,徐々に「姿勢」が崩れてしまう方など,「辛くなる」あたりで体の部分が触れるよう,ベッドや椅子に設置して,ナースコールに連動させるとか,病室のドアが開くと当たるようにして,徘徊を検知するなどの使い方が考えられます。

  ◆ 大雑把な動きの方に対応
感知部が長く,また,どの方向に傾いても反応するため,「ちょっと当たれば反応する」ようにしたい時などには向いていると思われます。スポンジや発泡樹脂素材,ボール紙などを取りつけることで,操作する手などに当たる領域を広くできます。ただ「トリガ操作(いわゆる『チョン押し』=スイッチを押して直ぐに放す)」は可能と思われますが,不随意運動の度合いによっては,「押したままにしている時間」に意味のある操作には向かないと思われます。

  ◆ 動きの小さい方に対応
小さな傾きにも反応するため,動きの小さい方にも適していると思われます。感知部が長いため,不随意的な動きにもある程度対応できると思われますが,「押し圧」が軽いために,押した時に入れたチカラを抜けない方の場合は,やはり「トリガ操作」や,「押したままではマズい」ような操作はむずかしいと思われます。たとえば「音量アップ」操作では,オンのままでは,どんどん大きくなってしまいます。

  ◆ 「引っ張りスイッチ」として
棒に「ゴムひも」などを結びつけて,引っ張って動作させることもできます。操作者の可動な体の部所に結びつけることで,動きが定まりにくい動作にもある程度対応できます。ただし,スイッチを設置する位置にご注意ください。引っ張ると倒れる家財や,また,結びつけたことが原因で損傷するようなものは避けます。「緩衝」の意味でも,結びつける際は「ゴムひも」を使うのが無難と思われます。

  ◆ ゲームの臨場感を出すために
たとえば,テレビゲームで「野球」をする時など,棒の先端におもちゃの「バット」などをくっつけたり,あるいは「スポンジ・ボール」を取りつけてそれをバットで打ったりすると,実戦気分を味わえるかもしれません。

● 工夫

  ◆ スイッチ本体の固定方法
ホームセンターなどに,右の図のような製品が売られていることがあります。これは,自由な位置に固定するには最適です。(「らせん管」というのは,瞬間湯沸し器の蛇口のような,自由に曲がるパイプです)

 ※
「ダブルクリップ」とか「どっちもクリップ」といった商標名。加工者は前者を「ユニディ狛江店」というホームセンターで購入。他に「島忠ホームセンター」というお店でも見ています。

またスイッチ本体には,ちょうど直径 4mm のネジが通るくらいの穴があいているので,木ネジで木切れや板材などに固定することもできます。スイッチを直接板材に取り付ける場合は,直径 4mm 程度の「皿頭以外」の「タッピングネジ(『木ネジ』でも可)」を使います。長さは,木材によって異なりますが,25mm 以上は必要と思われます(スイッチの厚さが 16mm のため,木材は深さが 9mm 以上必要)。また,適当なL字金具(「ステー」とも呼ばれます)があれば,次の図のような固定方法も考えられます。こちらは,金具の形状によって「皿頭」のネジも使えます。(図は2つ穴ですが ※,1つ穴のものを2つ並べても可)

 ※
最適なのは,2つ穴の「マンテン 111」という金具と,M4×25mm の皿頭のネジの組み合わせ。残念ながら,この金具はめったに見かけないため,1つ穴のものを2つ並べるか,あるいは,1つだけで片穴だけ固定するのが簡単。安全のため,角張っていないほうがいいでしょう。

  ◆ 先端に「スポンジ・ボール」などを付ける方法
下図を参照。ただし,貸出し用のスイッチには,既に穴あけ加工がしてあり,ゴムひもなどを通し易いよう,リングをつけています。
1. 樹脂の根元のほうに穴をあけます
工具は「精密ドリル」とか「ピンバイス」などと呼ばれているもの。運がよければ「百円均一店」で手に入ります。直径 1.5 ミリ程度が適当なようです。
2. ゴムひもを通して,適当な長さで「輪」を作ります
「輪」の大きさは,取り付けるスポンジの大きさを基に決めます。 ゴムひもは,手芸用の細めの丸ゴムが最適。
3. スポンジを差込み,ゴムで止めます
スポンジの大きさや,差込んだ深さにもよりますが, とりあえず外れにくくはなります。

● うまく機能しない場合


● スイッチの詳細

 スイッチ本体には,“COM(Common=共通)”,“NO(Nomal Open=常時開)”,“NC(Nomal Close=常時閉)”の3つの端子があり,よく見ると刻印されています。「傾くと導通する」ように使うには,COM と NO の2つの端子を使います。NC 端子は,COM 端子と常時導通していて,棒が傾いた時だけ切れるようになっています。


石川 雅章 (TREE-WARE; 障害者向けエンジニアリング)
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